引越し業者

第8話

いとこの守お兄ちゃんの家に、初めてやってきた。こんな、豪邸に住んでいたのか…。


「守〜!やっと会えたなぁ」


父のさとしは、弟の守お兄ちゃんに抱きついている。嫌そうな顔されてるけど無視して離れようとしない父。うざ。


「で?その子が、すぐるの友達の艶耀えんようちゃんって子?」


話題を変えられている。


「あぁそうだ。ほらほら〜早く中に入りな」


なぜ父が艶耀まで連れてきたんだかわからない。


「あ、こ、こんにちは…」


艶耀は、緊張してる?なぜ?


「わざわざ来てくれてありがとう」


「え、いえ!ありがとうございます!バイトさせてくれるなんて優しいです!」


「こき使うつもりだけど?」


うーわ、なにさせんだよ。


「守、こいつら体力あるから任せな?」


「じゃ、俺の部屋の本片付けてくれる?段ボールに入れて」


「はい!」


艶耀のでかい声が部屋に響く。


守お兄ちゃんの部屋は、本がたくさん。これを全部?うーん、疲れそう。


「守はこんなに本を読んで偉いな」


「そう?じゃ、よろしく。終わったら教えて。俺は仕事があるから」


守お兄ちゃんは俺らを置いてどこかへ。早速作業に入る。分担してそれぞれで作業。


「優、落とすなよ?」


「落とさないし。つーか、なんで引越し手伝わされるの?」


「なんだよ。やりたいだろ?」


「…やりたかないけど、金が出るなら」


「難しそうな本ばっかり〜!こんなの読めるなんてすげー」


艶耀は余計なこといいつつ、せっせと働く。

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