第7話 バカに付ける薬は無いようです。

side:スコット・バルフェンバーグ




ズズッ、ズズッ、、、はぁ♪


陰気なジャクリーンを追い出したお陰で、今も隣で一緒に茶を飲んでいるリンダの機嫌も良い


最高の気分だ、わははははは♪



「陛下!グロンクヴィスト王国から書簡が届きました。」



チッ!


良い気分が台無しではないか、だがグロンクヴィストからの書簡は無視出来んな



「内容を読んで聞かせろ!」


「かしこまりました、では読ませて頂きます。


スコット・バルフェンバーグ、貴公には17の国に対して戦争を起こそうとし民衆に恐怖と混乱を招いた疑いがかかっている、国際条約に則り速やかに国際裁判所に出頭されたし。


尚、出頭を許否した場合は、ジャクリーン・バルフェンバーグの名のもとに


逆賊スコット・バルフェンバーグを生死問わず捕らえる旨をここに記す。


【第21代バルフェンバーグ国王、ジャクリーン・バルフェンバーグ】」



「なっ、なんだそのふざけた書簡は!何故俺が国際裁判所に出頭せねばならんのだ!」


「おっ、畏れながら申し上げます!この書簡は国際裁判所から送られて来た正式な書簡でございますれば、速やかに出頭し弁明をしなければ真に逆賊として捕らえられてしまいます!」



クソッ!クソッ!クソッ!


せっかくジャクリーンという陰気な女が出ていったというのに何故こんな事に、、、いや待て!


ジャクリーン・バルフェンバーグとはどういう事だ?



「おい!何故ジャクリーンがバルフェンバーグの国王になっているんだ?」


「そっ、それは私には分かりかねます(汗)」



「陛下宜しいでしょうか」


「ん?発言を許す、申せリンダ」


「きっとこの書簡は精巧に作成された偽物に決まっています。」


「だが国際裁判所から送られて来たのだろう、疑う余地は無いと思うが」


「簡単では無いでしょうけれど、裁判所から送られたように偽装する事は可能です。それを出来るのは書簡を持って来た目の前に居る者だけでございます。」



「そうだったのか!」


「陛下に王妃様、お待ち下さい!私は誓ってそのような事はしておりません!」


「ふん、この期に及んでシラをきるとは大したものだが、我が国の取り調べを受けても同じ事が言えると良いなぁ♪衛兵、この者を連れていけ!」


「「「はっ!」」」



「お待ち下さい陛下!私の事が信用出来ないのは構いません、ですが国際裁判所に問い合わせを!」


「衛兵、この者を黙らせなさい!陛下のお耳が汚れます!」



「「「はっ!」」」


『ドゴォッ!』


「がはぁっ!」




「すまぬなリンダ、そなたに大きな声を出させてしまった」


「お気になさらず、陛下の御身は国の宝ですもの些細な汚れも許されません。


さあさあ、今宵も私が陛下の御身を綺麗にして差し上げます♪」


「それは楽しみだ♪」


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