第3話 家臣は優秀だったようです。
side:ジャクリーン
私に面会に来たのは大臣職に就いている
ハベル、ロレイン、ルピー、スミス
第1、4、5、8師団長と料理長
以上9人を応接室に案内して皆の顔を順番に見る
ハベル、ロレイン、ルピー、スミスは常に城で仕事をしているので顔を見る機会もあるけれど
師団長と料理長に会うのは久方振りね
本来なら、お飾りの第2王妃であり後宮で生活している私が皆と会う事など無いのですが
国内を視察する為に各地に出向き皆と会っています。
まぁお飾りの第2王妃には国内の視察ぐらいしかやる事が無かったのですけどね(笑)
なのでここに居る9人が、バルフェンバーグ王国を愛し、より良い国にする為、毎日を懸命に過ごしている事を私は知っています。
そんな彼等が揃って私に会いに来たという事は、理由は1つしかありません
「それでは皆が私に会いに来た理由を聞かせて貰えるかしら」
「はっ!ここからは皆様を代表して内務大臣ハベルが話させて頂きます。
単刀直入に申します!ジャクリーン様におかれましては、陛下との離婚を止めてバルフェンバーグ王国に留まって頂きますよう
伏してお願い申し上げます。」
私は改めて部屋に居る全員の顔を見ます
どうやらここに居る皆の意思は固いようです。
「顔を上げて下さいハベル。これは陛下のお決めになられた事ですから、私はそれに従わねばなりません。」
「ジャクリーン様が国元に戻られれば、我がバルフェンバーグ王国はグロンクヴィスト王国と戦になりましょう。
最早陛下に意見を言えるのはジャクリーン様しかおられないのです!」
「お飾りでしかない私の意見など陛下は聞いて下さらないでしょう」
「それには失礼ながら否!と言わせて頂きます。我等では意見具申をしても首を斬られるだけです。
もう1人、陛下に意見を言える第1王妃リンダ様は些か思慮に欠ける上に、陛下はリンダ様の言いなりでございますれば
グロンクヴィスト王国第3王女であらせられるジャクリーン様には、戦争回避の名目のもと陛下に離婚撤回を要求して頂きますよう、我等一同の首と引き換えにお願い申し上げる次第でございます。」
はぁ
首を差し出されても困るのですが、全員本気のようですね
このような忠臣がいながら陛下は何を考えておれるのやら
もしかして、ストレスで私を病気にして亡き者にしようとする壮大な計画なのかしら?
「とにかく、ハベルに他の者も首を差し出すのは止めてちょうだい、仮に離婚が撤回されても皆が居なければ国が立ち行かなくなります。」
「それでは離婚の撤回を!」
「早とちりしないで、離婚について陛下の意思を変えさせるのは難しいでしょう。幸いにも私がこの国を出るまで数日の猶予があります。
それまでに私がこの国を出なくて済むように、陛下を説得するなり妙案を考えるなりして下さい
たとえ離婚していても表面上離婚したと見えなければ何も問題ありません!」
「「「「「「「「「はっ!!」」」」」」」」」
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