【完結】突然離婚を言い渡されたので実家に帰ったら、元夫の国と戦になりました。

永倉伊織

第1話 夫はただのバカだったようです。

side:ジャクリーン




「ジャクリーン、俺はもうお前の顔など見たくない!」


「かしこまりました。それでは私はこれまで通り後宮で生活致します。」



はぁ


私がバルフェンバーグ王国に輿入れしてから約3ヶ月


今まで顔も見せず放っておいたくせにまさか「顔など見たくない」と言われるとは思いませんでした



「ジャクリーン何を勘違いしている、お前がこの国に居る限り俺はお前のその陰気な顔を見るだろうが!」


「私にこの国から出て行けと仰っているのですか?」


「ああそうだ♪」



私の夫は何を考えているのでしょう?


確かに私の顔はお世辞にも華やかとは言えませんし、お飾りの第2王妃という立場で笑顔を見せるなど無理な注文というものです。



「陛下は私がここに居る理由を御存知だと思いますけど」


「無論だ、グロンクヴィストのバカ共が俺に対する嫌がらせとしてお前を寄越した事ぐらいお見通しだ


俺は奴等の思惑に乗せられるほどバカではないからな、ガハハハハハハハ♪」



はぁ~


頭が痛いです(泣)


グロンクヴィスト王国第3王女である私がバルフェンバーグ王国に嫁ぎ人質となる事で同盟が成立したというのに


目の前でバカ笑いをしているバルフェンバーグ国王である私の夫


スコット・バルフェンバーグはバカなのでしょうか?


そもそも私は最初からお飾りの第2王妃として来たのだから、飼い殺して放っておけば良いはずなのに


わざわざ実家のグロンクヴィスト王国に返すなんて、同盟破棄の上に宣戦布告するのと同義です。



「陛下、確認なのですが本当に私にバルフェンバーグ王国から出て行けと仰るのですか?」


「お前は陰気な顔のくせに頭も悪いのか?まあ良い、バカにも分かるように言ってやろう


ジャクリーンお前とは離婚する、2度と俺の前に現れるな」



どうやら冗談や嫌がらせで言っているのでは無く本気ですね



「かしこまりました。バルフェンバーグ王国から出て行くにあたり準備に数日頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」


「それぐらいなら構わん、しかしあっさり承諾するのだな


リンダからはお前が難癖を付けて別れようとしないだろうから、手切れ金を渡して即追い出すように言われたが」


「私はこれでも第2王妃ですから、陛下の御心のままに動くのみです。」


「良い心掛けだ!お前が来てからリンダの機嫌が悪かったのだが、これで機嫌も直るだろう♪」



どうやらバカな夫に知恵を与えたのは、夫よりバカな第1王妃のリンダでしたか


リンダとも輿入れの日以来顔を会わせていないのですが、何か気に障る事をしたのでしょうか?


まあそれはどうでも良いです。



問題は私がグロンクヴィスト王国に帰った時に父が、、、


エルネスト・グロンクヴィスト国王陛下がどういった判断を下すかです。


最悪の場合戦争になるのですが、最早私にはどうする事も出来ません


さてと


この国を出る前に私に出来る事をしておきましょう。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る