マニュアル作成

 定時には時間がまだまだあるが、やらなければならない仕事を片付け終え、一服も済ませた後にふとあることを思い出す。

 姉後のところからお手伝いさんが来ていただけるのでしたね。

 なるべく早く仕事を覚えていただけるようマニュアルでも作っておきますか。

 書類仕事の手伝いと言っていましたし。

 まずは……そうですね。

 いきなりモンスターの補充依頼とか説明しても分からないでしょうし、そもそもどんな基準でどんなモンスターがダンジョンに割り振られているかも分からないでしょうから、いっそこの際私の中の基準を文章にしておきましょう。

 たまにあった手配違いもこれから作る表で確認すれば減るかもしれません。

 と、これから来るであろうお手伝いさんと、自分の為にダンジョンのランク分けの定義なるものを書き始めた。


 Eランク

 主にスライムやバットと言った、よく見る雑魚モンスター達が主です。マスターもそんなモンスターのリーダー的な存在ばかり。たまに魔法を使えるボスも存在しますが、扱えてもせいぜい初級魔法程度です。弱いせいなのか繁殖力が高く、全滅しなければ直ぐに数が戻るモンスター達で構成されています。


 Dランク

 Eランクの連中に加え、ゴブリンやコボルトと言った武器を使うモンスター達が主です。DとEの違いは武器を使うか否か、で分けられておりそれ以外の特徴はEランクと変わりません。


 Cランク

 武器を使うモンスターに加え、ボス以外にも魔法を操るモンスター達が登場し始め、罠が仕掛けてあったりします。それ以外はD.Eランクと同じです。同じゴブリンでも集団で襲ってきたり、連携してきたりとこの辺りから知恵も使ってきます。


 Bランク

 トロールやゴーレムと言った巨大なモンスター達が出てくるのがBランクからになります。

その構成の為、でかい山や洞窟などのダンジョンが多いです。また、空を飛ぶようなモンスター達はこの辺りから登場します。


 Aランク

 火山や毒泉と言ったモンスター以外にも脅威となるものが近くにある、又は危険な場所自体がダンジョンになっているものがAランクになります。

必然的にその地形に適応したモンスターが多い為、耐性持ちモンスターが多いのが特徴です。


 Sランク

 デタラメです。Aランクの実力はあるが手が付けられないようなモンスターを、マスターが何かしらの方法で手なずけており、他のダンジョンと難易度の桁が違います。

 Aランクをクリアしたから挑戦したらモンスター1体すら倒せずに逃げてきた。がざらにある難易度です。基本的にダンジョン課では案内しません。自己責任でお願いします。


 こんなものか、と出来上がった表に何か書き忘れが無いか確認。

 まぁ、思いついたら横に書き足したり出来ますし、と使ってないファイルを1冊手に取り、出来たばかりの表を挟む。

 ファイルに大きくダンジョン課マニュアルと書き、丁寧にしまう。

 お手伝いさんが来るまでには、大体の作業のマニュアルを作らねば。

 と明日以降も仕事が少ないことを祈りつつ、マデラは定時退社するのであった。

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