第57話 アルヴィンの意思《いし》
4連休2日目早朝ぼくが朝食(母乳)を飲んでいると、昨日と比べて10センチぐらい
〈これって、例のほれ薬の材料取りに来たんじゃない?〉とリリオーネ、声に出さずに意思疎通魔法で言ってくる。
〈まさか!ほれ薬を作るならぼくの許可ぐらいとるでしょ?〉ぼくも声に出さずに意思疎通魔法で答える。
そしてぼくたちが黙っている内にカリスマ美容師(男)が、ぼくと目を合わせずにリビングにシートと幼児用の
「ほら!アルヴィンさん! すわってください!」とリリアン姫が言うと、ソフィアお母様に持ち上げられて幼児用の
そこにカリスマ美容師(男)がぼくにビニールのような
「なんか
いきなりバリカンをかけられた時は「え?
「アルヴィンさん、これでよろしいでしょうか?」とカリスマ美容師(男)がぼくの
「はいそうですね。カリスマ美容師と聞いていたのでもっとかっこいい
「その辺の
そのかたわらでリリアン姫についてきたメイドさんたちがぼくの
リリアン姫とそのメイドさんのやり取りはぼくの視界には入っていないのだが、フィリオーネとリリオーネとフロレーテが視界情報を送ってくる。
〈どうする? アルヴィンの
〈いや、英雄狩りに
〈そうね、運命のパートナーの
〈まあ、そうだね〉
「リリアン姫さま! 特注特製ジュースおまたせしました!」と言って早朝に出ていった姫様付きのメイドさんが、ぼくとリリアン姫の前に500ミリリットルほど入っていそうなピンク色のポーションビンをそれぞれならべた。
ちなみに今は日が沈んで夕飯の準備をしている時間で何故かソフィアお母様に母乳を拒否されて、「少しまちなさい」と言われていたところだ。
「さあ!アルヴィンさん!私も飲みますから特注特製ジュース飲んでください!」とリリアン姫が満面の笑顔でピンク色のポーションビンを2本もって、その内の1本をぼくにわたしてくる。
「いえ姫さま、ぼくお母様から6か月間は母乳だけを飲むように言われてまして……」
「大丈夫です! 許可はとってあります!」と笑顔のリリアン姫。
ソフィアお母様の方を向くと、ソフィアお母様がぼくに笑顔でうなずく。
「いや、ぼくの許可取ってください! ぼくこの間、錬金術師の店でほれ薬の存在を知ったばかりなんですけど! このピンク色のポーションビン、ほれ薬でしょ!」とリリアン姫につめよって、ピンク色のポーションビンをリリアン姫の目の前に突き出す。
「アルヴィンさん! 前世の世界の女の事を、忘れたいんですよね!」と真剣な表情のリリアン姫が言ってくる。
「忘れたいというか仲良しの新記録を出すような女性が現れたら、自然に次に行けるんじゃないかと思ってるだけですよ? 忘れたいとは思いません」
「このほれ薬は、仲良しになりやすくなるだけの
「いや、気が向きません」
「これは言いたくなかったのですが、アルヴィンさんのお父様お母様父方母方のおじいさまおばあさま私のお父様お母様の承認を受けて国家予算の付いた国家プロジェクトなんです! アルヴィンさんの
「はい……」
ほれ薬の味だがそのままでは飲めないぐらいの
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