第51話 ちょっとこまった贈り物


「じゃあ、フィリオーネ! 世界樹のねもとまで運んで!」

「は~い」とフィリオーネ。


「アルヴィン! ひさしぶりじゃない!」世界樹のねもとにある世界樹の中のダンジョンの出口に出た所で、500匹ぐらいのフェアリーを中心とした妖精たちの中の1匹のフェアリーがすぐに声をかけてきた。

「うん! ひさしぶり? なんだ? 何日ぐらいたったかわかる?」

「14日ぐらいかな? たぶんそんなもんだと思うよ?」とフェアリーの1匹、あやふやな事を言う。

「ここと世界樹の樹液集めした場所と、どっちの方にたくさんみんながいるか分かる?」

「あっちじゃないかな?」と別のフェアリーの1匹。

「妖精のみんな~! 王都のフェアリーの木に戻る準備をするから、世界樹の樹液のビンを配ったり回収したりしていた所に集まって~~! 声の届かない所にいる子にも伝言してみんなで集まって~~!」と半径1キロメートルに自分の声を届けて相手の声も聞こえるようにする魔法を使って、さけぶぼく。

 これを移動しながら何回も繰り返し、世界樹の樹液のビンを配ったり回収したりしていた所まで移動する。


「妖精のみんな~! 王都のフェアリーの木に戻る準備をするから、世界樹の樹液のビンを配ったり回収したりしていた所に集まって~~! 声の届かない所にいる子にも伝言してみんなで集まって~~! 達筆たっぴつなインプのタンポポは、ラベル書いてもらうからぼくの所に来て~~!」と半径1キロメートルに自分の声を届けて相手の声も聞こえるようにする魔法を使って、さけび続けるぼく。

 少し離れた所では人間の姿に変身し全身タイツ風の竜鱗りゅうりんをまとい背中に竜の羽を生やしたドラゴンの2人が、手を触れず150センチある剣の素振りをして岩をたたいたりしている。

「アルヴィンおまたせ~~! ラベル書くからビンを出して!」と達筆たっぴつなインプのタンポポが飛んでくると。

「まずはあたしが、作業用の家を建ててあげる!」と言ってフロレーテが魔法を使い、全体的にパステルカラーの、ピンク色の屋根にオレンジ色の壁、その壁に水色の窓ガラスがはまった家を一瞬で建てた。

「さあ!中に入って!」と言いながらフロレーテが先導して、薄紫色(うすむらさきいろ)で人間サイズのドアを開けて中に入っていく。

 中に入ると壁がオレンジ色で天井と床がピンク色、天井と壁に黄色の大きい星がいくつも書いてありその星が淡く光り光源になっている。

「デュープ●ズムのファンシー●ルの家みたいだ!」

「え?あたし以外にも、こんなかわいい家を建てた人がいるの?」とフロレーテ。

「うん!なんかこの世界ってぼくの前世の世界にあったものがあるんだよね? イチゴのパックや信号機もそうだしマンガやアニメやライトノベルもあるし。まあそんな事はいいから、ラベルの付いてないビン出すよ!」


「アルヴィン!こっちに来てくれ!」達筆なインプのタンポポのラベル書きを手伝って30分ぐらいたったころ、人間に変身したグリーンドラゴンのルイーズさんが家のドアを開けてぼくを呼びに来た。

黙ってついていくと、大きな岩がいくつも真っ二つに割られた?切られた?広場に案内された。

「ああ~~! 剣で切れたんですね!岩! じゃあ、ぼくは作業に戻るんで!」

「いや、用事は終わってない! 一度ドラゴンの姿に戻るから場所を開けてくれ! 妖精たち!」グリーンドラゴンのルイーズさんが言うと、集まっていた妖精たちが思い思いに場所を開ける。

 じゅうぶんな場所が開いたところでグリーンドラゴンのルイーズさんが体長18メートルのドラゴンの姿に戻り大きな顔を後ろに向けてその顔の前に可能な範囲でしっぽの先をのばし収納魔法から出した剣を浮かべて何回か素振りをした後、しっぽの先をわずかに切り落とした。

 しっぽをわずかに切り落としたあとグリーンドラゴンのルイーズさんは身長158センチ体重53.2キロぐらいの人間の17才ぐらいの美少女の姿になって、ドラゴンの姿の時にしっぽの先をわずかに切り落とした100キロぐらいある肉の塊を両手で持ってぼくの所に来て。

「アルヴィン!ドラゴン以外の、ダンジョン攻略した仲間で食べてくれ!」と言ってぼくの前に、100キロぐらいある肉の塊を置いた。

「あの……せっかくなんですけど……ぼく……仲間の肉とか食べないんで……こう言う事されると困るんですけど……」

「ああ!もちろん感謝の気持ちではあるんだが、私の肉は精霊の涙を大量摂取していたホワイトドラゴンを食べた肉なんだ! つまり私の肉を食べると、精霊体にチャンネルを合わせやすくなるんだ! これから一緒にやっていく仲間として、私の肉を食べてほしい!」

「そう言う事なら、食べますけど……」

「話は決まったようだな! 私もドラゴンの姿に一度戻るから場所を開けてくれ!」と言ってレッドドラゴンのエマさんも体長15メートルのドラゴンの姿に一度なり同じようにしっぽの先をわずかに切り落とし、身長157.2センチ体重52キロぐらいの人間の15才ぐらいの美少女の姿になって100キロぐらいの肉の塊をぼくの前に置いた。

「さあ!」とレッドドラゴンのエマさんがせかしてくる。

「食べます!食べますけど、人間はこう言う肉の塊は料理して食べるんです! 家に帰ったら料理してもらいますから! あと料理する人の味見を許可してもらえると!」

「あまり関係のないやつに私の肉を食べられるのはいい気分ではないが、少しぐらいの味見は許可しよう!」とレッドドラゴンのエマさん。

「私も許可する!」とグリーンドラゴンのルイーズさん。

 その許可を聞いた後、収納魔法で2つの肉の塊を収納する。


「アルヴィン!ラベル書き終わったよ?」フロレーテの建てた家に戻ると達筆なインプのタンポポが仕事を終わらせていたので、ラベルが書いてあるか確認しながら収納魔法に収納していく。

「みんな~!王都のフェアリーの木に帰るよ~~!世界樹の樹液のビンを配ったり回収したりしていた所に集まって~~!」と半径1キロメートルに自分の声を届けて相手の声も聞こえるようにする魔法を使って、再びさけび続けるぼく。


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