第13話 怒られる時はみんなで怒られましょ

〜ルビア視点〜


 レオナルドの策略により、私は故郷を失い、レオナルドの屋敷に捕まってしまった。


 地下牢で何日過ごしたのかわからなくなったある日、風早礼央に助けられた。


 最初は助けてくれた恩を返したいという理由と、レオくん自身が変わった人だったため、興味本位でレオくんの屋敷に居候する道を選んだ。


 しかし、リリィたち双子を売りにきた盗賊に怒りをあらわにする、私たち3人のことを大事に思ってるれるレオくんのことが気になりはじめた。


 そして、全身金色の服を着た客が来た時、その男は私たち3人を買うと言い出した。


 レオくんが私たちを売ることはないと思っていたが、男がレオくんに見せた大量のお金を見て、一気に不安になってしまった。


(レオくんなら、どれだけお金を提示されようが私たちを売らないとは思うけど……)


 そんなことを思いながら不安になっていると…


「うるせぇ!!どれだけ金を積まれようが、お前にあの3人は譲らねぇって言ってんだ!あの3人は俺の女だ!」


 レオくんが大きな声で男に向かって言う。


 私はその言葉を聞いて、心臓の鼓動が速くなるのを感じると同時に、顔が赤くなるのを感じた。





 あれから、時間があればレオくんのことを考えるようになった。


「私はあの時、レオくんのことが好きになった」


 私はリビングで呟くが、誰もいないため、聞こえた人はいない。


「モモには申し訳ないことをしてしまったわね」


 少し前、今では毎日のようにこの屋敷に来るモモから、「冒険者になろう」と声をかけられた。


 正直、魅力的な話だったが、私はレオくんの元に残ることを選択した。


 理由は簡単。好きな人から離れたくないから。


 そんなことを思っていると…


「ルビアさん、遅くなってしまいました」


 リリィとミュアがリビングに入ってくる。


「レオくんは買い物でしばらくは家に帰ってこないわ」


「はい。あと1時間はかかると思います」


 私はリリィの言葉に頷き…


「では、レオくんを堕とすためにどうすれば良いか、作戦会議を始めようかしら」




私はリリィとミュアの顔を見てから、集まってもらった理由を告げる。


「今回集まってもらったのは他でもないわ。私たちはそろそろ団結すべきだと思うの」


 そう。私やリリィたち双子は各々、積極的にレオくんにアプローチをしている。


 リリィたち双子は甘えつつ、スキンシップを多く行い、レオくんを誘惑。


 私は双子のように甘えるとかできないので、大胆に体を使って誘惑をした。


 しかし…


「そうですよね。私、今日もご主人様から「好きだよ」って言葉を貰えませんでした」


「ウチもダメでした……」


「私もダメだったわ。今日も私を襲ってくることはなかったわ」


「「「はぁ……」」」


 3人揃ってため息をつく。


 私たち各々行うアプローチの結果は良くない。


(レオくんって女の子に興味がないのかしら?私は体しか魅力的ではないけど、双子はとてもカワイイわ。私なら押し倒してるくらいだけど、全然靡かないもの)


「そういうわけだから、リリィとミュアの協力を仰ぎたいの。どうかしら?」


「私は賛成です!ルビアさんほどの美人でも堕とせないなら、私とミュアがご主人様を堕とすのは難しいと思うので!」


「ウチもルビアさんほどの美人が手を焼くご主人をどうやっても堕とせそうにないので、賛成です!」


 2人は快く了承してくれるが…


「待って、私って2人から褒められるほど美人ではないわよ?」


「「え」」


 2人が固まる。


「いやいや!ルビアさんはとても美人ですよ!」


「そうです!しかも、こんなに大きなおっぱいまで持ってるんですよ!ルビアさんが美人じゃなかったら、誰が美人になるのか聞きたいくらいです!」


「か、体には自信があるけど……って、今はそんな話どうでもいいわ。どうやって、レオくんを堕とすかが先よ」


 私は無理やり話をもとに戻す。


「私はもう1度、レオくんと一緒に寝たいのだけど、どうかしら?」


「そうですね。案としてはとても良いと思いますが……」


「問題はどうやってご主人に了承していただくかですね」


 そう、レオくんは初日以来、私たちと一緒に寝ることを拒んでいる。


「了承を得ることができれば、前回みたいに、私は体を使って誘惑することができる。最悪、襲われるように仕向けることもできると思うわ。そうなれば、リリィとミュアも襲ってくれるわ」


「と、ととということは、ご、ご主人様と、エ、エッチなことを……」


「ウ、ウチもご主人とエッチなことを……」


 2人はレオくんとエッチするところを想像して顔を赤くする。


「そうよ。モモ曰く、エッチなことをすると、男はその女のことが気になるらしいわ。だから、2人とも怖気付いてる場合じゃないわ」


「そ、そうですね!ご、ご主人様とエッチすれば、ご主人様が私を意識して『好き』って言ってくれるかも!」


「ウチも恥ずかしいけど、ご主人にウチを意識してもらうために頑張ります!」


「良く言ったわ。じゃあ、レオくんを堕とす方法は『レオくんと一緒に寝る』という作戦でいいかしら?」


「「意義なしです!」」


 こうして、私たち3人はどうやってレオくんに、一緒に寝ることを了承させるかを考えたが……


「ダメね。どの方法もピンと来ない、もしくは実践済みね」


 という結論に至る。


 そのため…


「仕方ないわ。ここは、忍者である私がレオくんの部屋の鍵を開けるから、強行突破で行くわ。怒られる時はみんなで怒られましょ」


 こうして、3人は今夜、レオくんに夜這いを仕掛けることとなった。

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