第14話 これから覚悟しててね

 俺は買い物が終わり、リビングに入ると、ルビアたち3人が何やらコソコソと話していた。


「何かあったのか?」


「い、いえ!な、なんでもありません!」


 慌ててリリィが答えるが、全員、目が泳いでいる。


(まぁ、困ったことがあったら俺に教えてくれるだろう)


 俺は3人が集まってコソコソしてた理由を深く考えなかった。




 そして、夜となり、俺は部屋の灯を最小限にして眠りにつく。


 しばらくすると、ゴソゴソという音と鍵が開く音が聞こえた。


(ん?なんだ?)


 俺は気になり、体を起こして状況を確認すると…


「えっ!なんでいるの!?鍵かけてたよね!?」


 何故かルビアたち3人が俺の部屋にいた。


 3人はネグリジェを着ており、ルビアは大胆に胸元が開いたワンピースを、リリィたちはフリルをあしらった可愛いワンピースを着ている。



「あら、あんなの鍵とは呼ばないわ。だってゴソゴソと触っただけで鍵が開いたもの」


「………………」


 鍵をこじ開けたらしい。


「ねぇ。そんなことより、私たちと一緒に寝ましょ?」


「そ、そうです!私もご主人様と一緒に寝たいです!」


「ウ、ウチもご主人と寝ます!」


 3人からそう提案されるが、俺は抵抗する。


「そ、それはダメだ!そ、そんなことされたら……」


「あら、そんなことされたら……どうなるのかしら?」


 ルビアがそう言いながら、俺の上に跨ってくる。


 正確には俺の息子の上に。


「そんなことされたら、ご主人様はどうなってしまうのですか?」


「ウチも気になります」


 と、言いながらリリィは俺の右腕に、ミュアは俺の左腕に抱きつく。


「!?」


(や、やばい!ルビアは俺の息子に跨って前屈みになってるから、胸の大事な部分が見えそうになってるし、リリィたちからはいい匂いと、小さいながらも柔らかい感触を感じる!てか、全員下着をつけてないのかよ!)


「あら、レオくんどうしたの?急に固まってしまって。あぁ、もしかして私のおっぱいやリリィたちのおっぱいが気になってるのかしら?」


「!?」


(やべぇ!バレてる!)


「ご、ご主人様。わ、私とミュアの、ち、小さなおっぱいはいかがですか?」


 そう言ってリリィたちは俺に胸を押し付けてくる。


「その調子よ。レオくんも喜んでるわ」


「お、俺は喜んでなどないぞ!?」


「あら、私のお尻に硬いものが当たり始めたのだけど、これは喜んでる証拠じゃないのかしら?」


「そろそろ退いてよ!?」


「そろそろ動いて?仕方ないわね。私が動いてあげるわ」


「違うわ!退いてって言ったの!」


 俺はルビアに再度お願いするが、聞く耳を持ってくれず、前後に動き始める。


(や、やばい!このままだと取り返しのつかないことになる!ど、どうにかして3人に退いてもらわないと……)

  

 俺は頭をフル回転させるが…


(うぁ…動かれると気持ちいい……じゃなくて!あっ、リリィたちの胸って柔らかいな……じゃなくて!えーっと……くっ!頭が働かねぇ!)


 俺は頭を働かせることができずにいた。


 すると…


「ご主人様、気持ちいいですか?」


「ご主人、このまま襲いたくなりましたか?」


 2人が耳元で囁く。


 俺はその言葉を聞いて、このまま3人を押し倒そうとするが…


「っ!やっぱりダメだ!」


 俺は寸前のところで止まる。


 そして力づくでリリィたちを振り払い、ルビアを押し退ける。


「はぁ、はぁ、はぁ……なんで、俺にこんなことするんだよ!?」


 俺は3人に問いかける。


「それはレオくんに襲ってほしいからよ」


「わ、私もご主人様に襲ってほしい……です」


「ウ、ウチも、ご主人と、エ、エッチなことがしたい……です」


「やっぱりか……」


 想像通りの返答が返ってくる。


「いいか、俺が3人を助けたのはエッチなことをしたいからじゃないんだぞ?だから、こんな形でお礼をしなくてもいいんだ。こういうことは、好きな人同士がすることだ。だから……」


「あら、私はレオくんのこと大好きよ」


「わ、私もご主人様のことが大好き……です」


「ウチもご主人のこと大好きです」


「なっ!」


 俺は3人の発言に驚く。


 冗談で言ったわけではないと、わかったからだ。


「だから、こういうことをしても問題ないわ」


 ルビアの言葉にリリィたちが頷く。


「で、でも……」


「もしかして、レオくんは私たちのことが好きじゃないのかしら……」


 ルビアが不安な表情で聞いてくる。


 リリィたちも表情が曇っていく。


「い、いや!俺は3人のことが好きだぞ!」


「ホ、ホント!?」


 ルビアたち3人が嬉しそうな表情となる。


「だ、だが、こういうことには責任が伴う。一時の迷いでやるわけには……」


「つまり、レオくんに私たちと一線を超える覚悟がないということかしら」


「ま、まぁ、そういうことだ」


「なら、私たちは『レオくんのことが好き』ということを伝え続ければいいのね」


「へ?」


 俺は言ってる意味がわからず、戸惑う。


「もしかしたら、レオくんが私たちのことを好きだということに、気づいてないだけの可能性もあるわ。だから、私たちはレオくんにアピールし続ければいいのよ」


「な、なるほどです!私たちが想いを伝え続けることで、私たちが本気でご主人様のことが好きだということを理解してくれます!」


「そしたら、今はウチらに対して恋愛感情がないご主人も、ウチらのことを愛してくれるかもですね!」


「そういうことよ。だから、レオくん。今日のところは引き下がるわ。でも……これから覚悟しててね」


 ルビアはそう言うと、リリィたちを引き連れて、俺の部屋から出て行った。


 俺は3人を見送った後……


「えっ!3人とも俺のことが好きだったの!?だから、俺の下を離れたくなかったってこと!?」


 その夜、俺は一睡もできなかった。

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