第97話 【次の目標へ・1】


 勉強合宿が終わった翌日、俺は久しぶりに師匠と二人で訓練場に集まっていた。


「こうして訓練するのも、なんだかんだ久しぶりだな」


「そうですね。最初の頃は学園に行って無かったので毎日してましたけど、学園がある日は訓練も中々出来ませんでしたからね。それに前よりも、家族の時間が必要になりましたからね」


 赤ちゃんが生まれてから、父親である師匠はほぼウィストの街の自宅で過ごしていた。

 ただ毎週の学園が休みの日は、何か問題が起きない限りは迷宮へと連れて行ってもらいレベル上げをしていた。


「さてと、久しぶりという事だし、まずは訓練の前にアルフのステータスを確認しようと思うんだが良いか?」


「はい。分かりました」


 師匠の言葉に俺はそう返事をして、師匠にも見えるようにステータスを表示した。


名 前:アルフレッド

年 齢:16

種 族:ヒューマン

身 分:平民

性 別:男


レベル:100

筋 力:9845

魔 力:13247

敏 捷:9458

 運 :91


スキル:【経験値固定:—】【剣術:10】  【属性魔法(7):—】

    【魔力制御:10】【従魔:10】  【調理:10】

    【指導:10】  【並列思考:10】【身体強化:10】

    【信仰心:5】  【気配察知:10】【魔力探知:10】

    【夜目:10】  【集中:10】  【冷静:10】

    【認識阻害:10】【鑑定:10】

加 護:Error


水属性魔法:10

土属性魔法:10

火属性魔法:10

風属性魔法:10

光属性魔法:10

氷属性魔法:10

炎属性魔法:10


 長期休みに入る前、迷宮には何度も通いその度に目標を決めてレベル上げをしていた俺はレベル100となった。


「お~、俺が見てない間にまた魔力を上げたみたいだな」


「はい。アリス達に魔法の訓練を教える際に一緒に魔法を使ったりしていたので、自ずと上がってました」


 アリス達に訓練を付けてる際も俺は自分の訓練も忘れず、絶えず意識しながらアリス達と訓練をしていた。

 そのおかげで魔力もかなりあがり、訓練していた属性魔法のスキルレベルも全部10にする事が出来た。


「それにしても、いつ見てもアルフのステータスは笑いたくなる程におかしいよな……その歳でそのレベルって時点でもおかしいが、スキルの数も異常だし、殆どがスキルレベル10になってるからな」


「頑張る分だけ自分の力となるので、惜しみなく訓練したおかげですね。まあ、でも正直な所で言うと【経験値固定】はズルだと自分でも思いますね。こんな簡単にレベルが上がっていいのかなって……」


「ズルだと思うかも知れないが、それを神様から授かったのはアルフだからな。使うのはアルフの勝手だ」


 師匠はそう言うと、俺の頭に手を置くとワシャワシャと髪を撫でた。

 それから、訓練を始める前の準備運動から始めた。


「なあ、アルフ【信仰心】だけスキルレベルの上がりが遅いみたいだが、実際の所どうなんだ?」


「そうですね。多分、遅い理由ですが、やり方が明確化されてないからだと思います。他のスキルに関しては、師匠がそれに合った訓練方法を教えてくれましたが【信仰心】はただ祈ってるだけですから」


「まあ、確かにな、本当は本職の奴等に教わるのが良いんだが……アルフの事を見せたら、あいつらがどう動くか分からんからな。万が一、ステータスを見られることがあったら大変な事になるからな」


 少し前までなら少し強いで済んだが、今の俺のステータスは誰が見ても異常。

 それを隠す為、師匠から【認識阻害】のスキル習得を指示され、それのスキルレベルを上げる為に【鑑定】のスキルも習得した。

 ちなみにこの二つのスキルは、【鑑定】で自分を調べ【認識阻害】で弾くという訓練方法で効率的に上げ、経った三日でレベル10にした。


「本当はもっと強い阻害系スキルを教えたいが、俺の知ってる阻害系で訓練で手に入れられるのはそれだったからな」


 師匠は俺にもっと強い阻害系スキルを習得させたいが、それらの訓練方法は明確化されていない為、教える事が出来ずその事を悔やんでいる。

 俺としては阻害系を一つ手に入れられたから、少し安心してるが師匠ゆエルドさんはそうじゃないみたいだ。

 その後、準備運動を終えた俺は久しぶりに師匠との訓練を始めた。


「魔法に関しては、もうほぼ上位の冒険者と戦っても勝てるレベルになって来たな」


「本当ですか? でも、まだ一度も魔法戦で師匠に勝てた事はありませんよ?」


「俺はその上位の中でも更に上だからな、俺に勝つにはまだまだ訓練が必要だよ」


 そう笑いながら言った師匠に、俺は「頑張って追いつきます!」と言ってその後も訓練を続けた。

 そうして一日訓練した俺は、師匠と一緒に風呂に入る事にした。

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