第3話 ここまで長かった……(八歳児談)、なのです
さてさて気を取り直しまして、お次はいよいよ本日のメイン、木製の深いお皿になみなみと注がれた乳白色のスープに一口大に切られた具材がゴロゴロと入った、クリームシチューのご登場であります。
お箸から木製のスプーンに持ち変えてゆらゆらと湯気を立てるシチューをそっと
お次は目に鮮やかな
続いて一口大のじゃがいもをシチューごと掬いふーふーしながらかぶりつくと、
今度はあまり入ってないお肉を探して掬い上げ一思いに口に入れると、煮込まれてトロトロになったお肉が口中で溶けるようにちぎれ、豚肉の旨味と脂身がじわーっと広がります。うん……お肉……おいしいです……。
いやいや……ここまでくるのは長かったのです(しみじみ)。
どうしようかなー? と悩んでいたところ、知り合いのお姉さん──実はわたしに魔法を教えてくれている美少女先生なのですが──から「貴族の料理人は魔石を使うのですよ」というお話を聞き、「魔石って何ですか?」と聞いたところ、なんでもざっくりと説明すると魔法を封じ込めておける石というものがあり、それがあれば誰でも魔法が使え(しかも設定すれば出力調整も可能)、貴族の料理人はそれをコンロ代わりにしているという事を教えてくれました。その上「余っているからどうぞ」と、小さい魔石までくれたのです……!
そうして貰った魔石に火の魔法を込めて、竈を改造し、火力調整が可能ななんちゃってコンロが完成し、ようやくこのシチューはできあがったのです。
……それと一応ですね、いくらくれると言ったからといって、
そういうわけで! 子供らしく素直にありがたくいただきました! わたし転生者ですけど、今は一応子供だからね、仕方ないね。……仕方ないね!(大事な事なので二回言いました)
先生にはあとで何かお返しすればいいです……よね?
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