第5話 見慣れぬ世界と渦の中
ここ、King and sky onlineにももちろん1日が存在する。現実時間12時間で1日、要するに1/2の時間で世界はまわっている。そして自分が存在しないときも世界はまわっている。
――――――――――――――――――――
現在の時刻22時、明日は引っ越し作業だから早めにログアウトしようかな…ゲームによってその場でログアウト、決められた場所でのログアウト等様々だがこのゲームは大きな街の宿屋でしかログアウトができない。そう、小さな村や町での宿場ではログアウトができない仕様となっている。そこもクソゲーって言われる1つの原因だ。まぁ詳しく言うとログアウト自体はできる。が、離席中に人や魔物等に殺され、持っていたものを盗られる危険性があるから大体の人間は大きい町に行ってログアウトをするようになっていた。…まぁほとんどのプレイヤーは3日としてこのゲームをしなかったから意味はないけどね。
「ご主人様~これからどうするのニャ~?」
「壊れてるけど大きなお城があるってことは城下町があるはず、宿屋を探して
「知らないニャ~、釣りしてたら湖に落ちて柱の下敷きになってたのニャ…周りは森だったはずなのになんでかこんなところにいるのニャ」
なるほど、軽い考察だけどさっきの地震は建物を壊す、誰かをどこかに転移させる、って感じなのかな。
「そういえばさっき魔族の女の子に出会ったんだけどここって魔族多いの?」
「ご主人様ってなにも知らないのニャ~?こんなところに魔族なんて現れないニャ、あのゴミムシ共はもっとも~っと下、地面の下にいる下等生物ニャ!」
お、おう…イオンの魔族への不満というか愚痴がありすぎて爆発してオタク口調の早口になってたが宿を見つけることができ一旦口を閉じさせた。
宿屋は畳に布団が敷かれている小部屋だった。宿屋には特別なシールドが付与されていて使用者を絶対に攻撃できないようになっている。
「イオン、私は
装置を外すと見慣れた白い壁、紛れもない自分の部屋だ。大体の荷物は宅配で引っ越し先におくっているため明日の作業はこの装置と細々とした物を持っていくだけだった。
「寝るか…………」
――――――――――――――――――――
-翌日-
約4時間かけて東京に来た。今日は平日だけど…人多すぎないかな…流石都会。と、とりあえず待ち合わせしてる姉貴に連絡を、
『姉貴駅着いたよ、今どこにいる?』
『渋谷に来い。その方が楽』
あいっかわらず返事が雑だよね、姉貴は。え~っと…それで渋谷駅ね。路線図、路線図~…………――――――なにこの路線図。こっわ、都会こっわ…駅員さんに聞いてぱっぱと行こっと。
その後…迷いに迷いまくり、人の流れに飲まれ、なんとか渋谷までいけた。
「お~霊!来たか。こっちだこっち~。ずいぶん疲れてんな~なにかあったか?」
疲れてるのはあんたのせいですよ、って言いたいけどなにされるかわかんないしここは黙っておく。
「疲れたしマンション行こうよ」
「え~?せっかく東京きたんだから観光しようぜ~?美味い飯屋知ってんだ。決まったら善は急げほら、行くぞ。」
「いや、まだ決まったわけではぁぁぁ―――」
その後は観光1割食べ歩き9割の行動で結果的にマンションについたのは夜の20時だった。
着いたマンションは高校卒業後すぐに住めるようなマンションではない、ならなぜここにに住むことができるのか、それは姉貴のせいである。姉貴は3つ年上なんだが成人してからほぼ毎日リアルにいなかった。…そう、VRの世界にいた。私がやってるKing and Sky onlineと対となるゲーム、神ゲーことQueen ground onlineに。姉貴は大学を即辞めてゲームに没頭した。このQueen ground online【クイグラ】はアプデごとにひらかれるイベントで上位プレイヤー、上位ギルドに選ばれると賞金がはいってくるようになる。姉貴はこのイベントほぼ全てで上位プレイヤーに選ばれ、莫大な賞金を手にしていた。1年で稼いだ金額が親より多かったため親もなにも言えず仕舞いだった。
「霊の荷物はもう届いてるから後は勝手にしろ~腹減ったら冷蔵庫漁ってなんか食え、風呂は2つあるけど掃除してないからたぶん使えん、分からんことあったらメールしろ、私はゲームしてくる」
相変わらず大雑把すぎ…荷物解いて寝よ…
明日はイオンの所に行こうかな~
~その頃King and Sky onlineでは~
イオン「ご主人様おっそいニャ~…お腹減ったニャ~早く起きるのニャ~、ゲシゲシ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます