第45話「天堂さんがこのメッセージを読んでいるとき」
お疲れさまです!
天堂さんがこのメッセージを読んでいるとき、わたしは焼身自殺を
なぜならわたしは、
わたしは鐘音ちゃんの監視のために放たれました。すぐに、食事の世話もすることになりました。鐘音ちゃんが餓死しようとするからです。根性ありすぎですよね?
本当に退屈なお仕事でした。
することといえば、覗きに盗聴、
しかも、鐘音ちゃんは滅多に動かないし音も立てないから、日がな一日、動物園でナマケモノを観ていたほうがマシなんじゃ? とさえ思いました。どっちがマシか試してみたかったんですけど、できずじまいでした。お休みがなかったからです。
本当に退屈だったんですよ。
天堂さんが来るまでは。
天堂さんが来てから、すべてが変わりました。
毎日、大変でしたよ。笑いを
あっ、わたしには亡くなった家族なんかいないので、安心してください! 亡くなっていない家族もいないので、わたしが死んだあとのことも安心してください!
それはさておき、いつのまにか、一緒に焼肉を食べにいったり、おうちご飯も一緒に食べるようになったりして……
いやあ、
楽しかった思い出がつぎからつぎへと!
楽しかったですよね!?
わたしは楽しかったですよ!
鐘音ちゃんは『楽しかった』って言ってくれなさそうですけど! 『楽しい』ってどういう状態なのか、知らないだろうから。今度、教えてあげてください!
いま「今度って言われても」って思いましたね?
そりゃそうですよね。鐘音ちゃん、どこか行っちゃいましたし。
さきに謝っておきます! ごめんなさい!
鐘音ちゃんがどこに行ったのかは、わたしにもわかりません! 見当もつきません!
多分、わたしが鐘音ちゃんと最後に会った人間ってことになっていると思うんですけど! すみません! こんなわたしが鐘音ちゃんと最後に会った人間で!
でも、こんなわたしでもわかることもあります!
天堂さんが来てくれたおかげで、わかったことですけど!
それは、鐘音ちゃんはいつも言葉が足りないってことです!
だから、鐘音ちゃんとの最後の会話を真に受けて、くよくよしないでください! どうせ言葉足らずなんだから!
悩んでいないで、なんとかして鐘音ちゃんを探しだして、いつもみたいに問い
それをわたしは、
それじゃあ、さようなら!
追伸
こんなことを言われても困ると思うけれど、言わせてください。
忍者らしい最期を迎えられたのも天堂さんのおかげです。
ありがとうございました。
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