第63話マジックオブアイアン5の世界(番外編)

以下、マジックオブアイアン5の説明書コラムより引用。


マジックオブアイアン5は、厳密に言うと現実世界とは別の世界線です。IF世界となっております。


ヴォルフスブルク:ドイツ

グレア帝国:イギリス+フランス

ローザンブルク帝国:ロシア

マッシリア:イタリア

イブール王国:スペイン+ポルトガル


と近いポジションとなっております。


現実世界とはどうして、同じ歴史にならなかったのか。具体的な歴史改変ポイントは10世紀前後です。


中東で生まれたイスラム錬金術が欧州でさらに発展。本来の歴史であれば、この錬金術が科学発展の基礎になったわけですが、こちらの世界線では科学ではなく魔術が発展したわけです。


よって、本来の中世時点では石や弓矢、簡単な火薬しか使えなかったはずの人類に、それをはるかに上回る攻撃力を持つ手段をもたらされたというわけですね。


魔力の影響でヨーロッパは暗黒の中世を、史実よりも早く脱却したことになります。


よって、歴史は完全に変わります。


モンゴル帝国の騎馬隊は、魔力に敗れて欧州にはいることができませんでした。つまり、モンゴルの支配が発生しなかったロシアでは、タタールのくびきも発生せずに、史実よりも早く統一政権・ローザンブルク帝国が誕生。

英仏百年戦争は、イギリスの勝利で終わり、現在の英仏を統合した超大国・グレア帝国が14世紀に誕生。ばら戦争も未然に防いだことで、貴族階級が大きな力を持った帝国となりました。


グレア帝国の増強によって、ドイツ側は史実よりも早くイタリア政策を転換せざるを得なくなり、グレア帝国主導による統一政権が誕生。マッシリア王国と呼ばれるその国家は、誕生の経緯もありグレア帝国陣営に組み込まれました。


そして、グレアはそれ以前の覇権国家であった神聖ヴォルフスブルク帝国を撃破し、大陸の盟主に君臨。

逆に、神聖ヴォルフスブルク帝国は解体されて、ヴォルフスブルクの地は小国の乱立がはじまりました。


これが15世紀。つまり、史実におけるウェストファリア体制より200年以上早く主権国家という概念が生まれたのでした。


グレア帝国の誕生の影響は、イベリア半島にまで及んでおり、史実でいうところのレコンキスタはグレア対トルコ・アルミア朝の代理戦争となっておりました。こちらの代理戦争はユーラシア側とヨーロッパ側の大国が相互に干渉しあったため泥沼化。経済的な基盤に劣っていたアルミア朝の経済破綻の遠因にもなりました。結果としてはイベリア半島の回復は、史実よりも100年以上遅れてしまい、大航海時代を生み出すはずだったポルトガル・スペインは弱体化。イブール王国として独立は保ちますが、史実ほどの力は持っていませんでした。


トルコの弱体化により地中海の制海権を握ったグレアは、交易の独占にも成功し超大国となっていきます。

その一方で、魔力による産業革命と地中海の確保によって、外海進出の理由はなくなり大航海時代は到来していません。よって、新大陸も未発見です。


魔力の発展は急速なスピードで発展していき、理論は体系化されました。体系化されたことにより、教育は充実し、科学を魔力に置き換えた部分的な産業革命を実現。魔力を使った動力炉が開発されたことで、軍事技術の発展は、目覚ましいものを見せています。


※魔力動力炉

こちらの原理は、現実世界のボイラーに近いものです。炎の魔道具を使って密閉容器内で火炎を発生させて、そこから熱エネルギーを発生させます。その熱エネルギーが熱交換器を介して水に伝えて、水蒸気を発生させて、動力源となります。冶金技術がまだ追いついていないため、部分的な産業革命にとどまっていますが潜在能力はかなり高いものです。現実世界における蒸気機関にあたると考えてください。また、燃料ではなく魔力によって動くものの為、魔力が続く限り動くことができます。よって、魔力を持った魔導士たちは、船や軍艦には不可欠であり、将来的には発電所のような役割も持つことになるでしょう。


ヨーロッパから外に目を向けてみましょう。


ヨーロッパの最大のライバルであったトルコですが、錬金術の発展により強力な軍事力を持ったアルミア朝が支配しています。しかし、16世紀にグレア帝国とのレコンキスタや軍拡競争に敗れ、財政が破綻し、一時ほどの影響力は低下しています。


中国では、史実通りモンゴル帝国が力を伸ばしましたが、騎兵に特化したことで、中東や欧州が持つ魔導士に苦戦し、進出に失敗。最高版図は、史実の半分ほどとなり、魔力による敗退を重ねたことで国力も衰退し分裂しました。中国では、漢人による易姓革命が勃発し、大順が成立。歴史における明朝の役割を担っています。モンゴル帝国の軍事的な失敗によるモンゴル~中国北東部における遊牧民の力は制限されており、安定的な力を発揮しております。


ヤマト(現実世界の日本に相当)は、錬金術とは別の陰陽道から魔力を発展させたことで、欧米とはまるで別の特殊な魔道体系が成立しており、その魔力によってモンゴル帝国の侵略を頓挫させて、伝統的な権威と魔力が混ざり合った特殊な国家となりアジアの大国として君臨しています。

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