たったの100年ももたない詩集

スズキサイハ

わたし、あたし

ねって言うと 少しだけ昔の自分を思い出す

全部完璧じゃなきゃいけないと思っていたときのこと

欠けてないものはきっと愛してもらえるって思っていたから


でも良く思うと 完璧になんて結構できてなかったように思う

その時にできる最善をいつも尽くしていたけれど

全然 今見るととてもつたないものだった


なんだかそっちの方が嬉しくなっちゃって

すごく努力してたって 自分自身が認めていたから

つたなくても 完璧って思えていたのね


欠けてるって不足してるって意味じゃないんだね

なんだか人間臭い言葉だった

だから欠けているものがちょっと愛おしくなって

今夜も 眠るのがもったいないくらいの世界にいるような気がしたの

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