①『Villain.inc』ー当社の社是は"絶対悪"ですー
白沢戌亥
1
◯参考作品
スーパー戦隊シリーズ
パワーレンジャーシリーズ
牙狼
仮面ライダーアマゾンズ、仮面ライダーブレイドなど仮面ライダーシリーズ
特警ウインスペクターなどメタルヒーローシリーズ
プリキュアシリーズ
リリカルなのはシリーズ
ヨルムンガンド
BLACK LAGOON
機動警察パトレイバー
◯世界観
30年前に異世界及び異星人の侵略を同時多発的に受け、その混乱を狙った地球人による悪の組織の乱立という大災害を経た近未来の地球。
それぞれの悪の組織に対抗するヒーロー、ヒロインたちが誕生し、勝利したり敗北したりした。
ヒーローたちの総力を結集した最終決戦で悪の組織は撃退されるも、各地に被害は残っている。
日本も現実とは様変わりしており、首都が四つあったり科学が妙に進んでいたり、魔法などのファンタジックな力も存在する。でも地名は今の日本と変わらない。
◯人物
・黒野光一
主人公。『Villain.inc』の前身である黒野建設を養父から引き継いだ。
かつてヒーローと悪の組織の戦いに巻き込まれて家族を失っており、それが彼の『絶対悪』を志す理由になった。
「絶対悪は世界の敵、貴様らのようなヒーローなど、そもそも敵ではない」
「俺なんて普通の人間なんだけどさ。なんでか知らないけどみんなボスって呼んでくれるんだよね。これって人徳なのか、苛めなのかよくわかんねえのよ」
「はいはい、そこいくお嬢さん、これ風船ね。手を離しちゃダメだぞぉ」
・ミレッタ・篠井
1巻でのヒロイン。ブレイブファイブというヒーローチームの一員だったが、組織の裏切りで捨て駒にされ、光一たち『Villain.inc』に保護された。
警察との取引により、インターンとして『Villain.inc』に勤務しながら大学に通う。
今年22歳。
笠井鏡子
12年前、魔法少女ブライトミラーとして異世界からの侵略者と戦っていた女性。
最終決戦で魔法少女の力を司る妖精を強制送還されてしまい。魔法少女に変身したまま元に戻れなくなってしまった。
何とか力を抑え込むことで元の姿に戻れるようになったものの、魔法少女の力は持ったままのため人々から排斥されていた。そこを光一に助けられ、心酔して彼の秘書となる。
御年26歳なれども現役の魔法少女。むしろ生涯現役。
グロウ・バインツェル
在日米軍の軍人として日米共同ヒーローチームのバックアップ部隊に所属していた。
装甲強化兵としては破格の実力を持っており、ヒーローに匹敵する実力の持ち主だった。
しかしある日、日本人の妻子を人質に取られてしまうも、信頼していた共同ヒーローチームは大統領来日の護衛をするため救出作戦が実行されず、妻子は殺される。
報復を目論んで傭兵として各地を転戦していたときに光一にスカウトされ、その理想に興味を抱いて参加に加わる。
サリサ・ホワイト
メリサ・ブラック
ゴシックロリータ風の衣裳を好む双子の少女。
とあるヒーロー組織が作った人工サイキックヒーローの完成体。
しかし彼女たちが完成する直前に組織は摘発され、『Villain.inc』に引き取られる。
本来なら人よりも遙かに短い寿命しか持たない彼女たちだったが、『Villain.inc』に蓄積されていた技術でなんとか一般人と同じだけの寿命を得ることができた。
恩人で遊び仲間だった光一を慕っており、よく振り回している。
ロゴjr
南米地区出身の医師で、『Villain.inc』の医療チームリーダー。
元々反政府組織の一員だったが、その組織が悪の組織と手を組んだことで縁切りをした。
祖父の故郷である日本でフラフラしているところを警察に捕まり、強制送還直前だったところを光一がスカウトした。
故郷に戻ったら組織に殺されるのが確実のため、光一のことは命の恩人兼弟分として可愛がっている。
◯物語構成、プロット(プロローグ以外は大体1章あたり平均15000字程度)
プロローグ、
同時多発的に発生した異世界、異星人の侵略を発端とした世界規模の大災害の終結から半年の東京。
記念式典の演説を聴きながらふたりのヒーローが移動している。
簡単な世界観説明を行う。
1、
ヒーローであるミレッタ・篠井は、捕らえられた仲間を救い出すために悪の組織とされる『Villain.inc』の本社ビルに侵入する。
地下深くで悪の首領と目されるロード・ダークネスを発見し、戦闘になるも敗北。ブルーが捕らえられ、ミレッタ自身も絶体絶命の窮地に陥る。
しかしロード・ダークネスはミレッタたちを捕まえはしたものの、ミレッタたちの組織が違法な人体実験をして新薬を開発していたことを明かし、仲間たちは『Villain.inc』で治療を受けていること、彼女たちが捨て駒にされたことを教える。
ミレッタは戦う意義を見失い。ロード・ダークネスの手に落ちる。
2、
主人公からの視点に移行。
『Villain.inc』に捕らえられたミレッタは、ロード・ダークネスこと黒野光一の勧めで大学に復学。同時に仲間たちの治療費を稼ぐために『Villain.inc』でインターンを始める。
CEOの身分を隠して普通の社員として働く光一と一緒に行動することになったミレッタは、その中で光一が何故絶対悪という社是を掲げるようになったのかを知る。
同時に『Villain.inc』の幹部たちと交流を深め、世の中の現状について学んでいく。
そんな中でヒーローの残党が立て籠もり事件を起こし、『Villain.inc』のグループ会社である特別警備会社が出動。光一とミレッタは少し離れた場所からその仕事ぶりを見ながらヒーローたちの現状について言葉を交わす。
ヒーローの起こした事件のあと、光一とミレッタは事件現場で不審な人物を発見するも、その人物はふたりを振り切って姿を消してしまう。
3、
インターンとして扱き使われるミレッタを余所に、光一は政治家朝日涼太との会談中だった。
朝日ははぐれヒーローたちの起こす事件が復興を妨げていることを嘆き、『Villain.inc』の力でヒーローたちをなるべく早く捕らえてほしいと頼む。しかし光一は自分たちが単なる私企業であることを盾に、社員たちに無理はさせられないと答えた。
朝日は頼んでみただけだとあっさり引き下がり、そうした冷静な判断ができる光一だからこそ今後の付き合いも大切にしたいという。朝日は光一を試していた。
会談後、光一は職場に向かう。そこにはミレッタの代わりだと言って幹部のサイキック双子少女のホワイトとブラックが待っており、光一はふたりに連れ去られる形で外出する。
光一は先の事件で見つけた不審人物を追っていた。
事件を起こしたヒーローがここ最近怪しげな集会に参加していたことが警察の捜査で判明しており、光一たちはあの人物がその手がかりになるのではないかと考えていた。
一方、ミレッタは光一たちの探している人物から接触を受けていた。
謎の人物は顔を隠しており、自分たちはヒーローを正しい道に戻すために活動していると説明。その過程でヒーローに相応しくない人々を組織から追い出しており、先の事件の犯人もそのひとりだったと教えられる。
謎の人物は光一の理想がいつか世界を破滅させるといい。ミレッタに光一を殺すよう依頼する。光一は悪の首領を自称しており、いずれ世界の敵になることも公言しているのだから、未然にそれを防ぐのはヒーローとして当然のことだと説得される。
ミレッタが迷っている様子を見て、謎の人物は姿を消す。
4、
ミレッタは謎の人物と会ったことを隠した。自分が疑われて仲間たちの治療ができなくなってしまうことを恐れていた。
そんなある日、『Villain.inc』が参加する市民との交流イベントに光一やミレッタ、幹部たちが参加することになる。
数少ない正規ヒーローが参加するイベントでコスプレをする女性陣と一部男性陣。しかし秘書である魔法少女(25)姫沢マコトの計略により、光一は着ぐるみであった。
着ぐるみの光一は子供たちに翻弄され、ミレッタたちは大人気。
イベントは大盛況だったが、参加している正規ヒーローのひとりが突然苦しみだし、暴れ始めてしまう。
光一は騒動をヒーローショーに仕立て上げることを思いつき、残ったヒーローたち、幹部たちと協力してその場を切り抜ける。
騒動後、イベント会場の外で謎の人物が光一への恨みを口にしている。ここで死んでいればよかったものをと言い捨て、謎の人物は姿を消す。
5、
突如、『Villain.inc』に大規模破壊活動の準備をしているとの疑いが掛かる。
なんとか光一に接触してきた朝日によると、ヒーロー族と呼ばれるヒーロー利権に深く関わってきた政治家たちのせいらしい。
彼らはヒーローたちが姿を消したことで利権を失いつつあり、『Villain.inc』を悪の組織に仕立て上げることでかつてのような権力を取り戻そうと企んでいた。
ヒーロー族は警察や司法などの関わりが深いため、たとえ無実であっても罪をでっち上げられる可能性が高い。朝日は可能な限り早く事態を収拾し、ヒーロー族を失脚させるよう光一にアドバイスする。彼らが失脚すれば朝日の政府内での立場が上がることを指摘しつつも、光一は敢えて朝日の計略に乗る。
幹部たちの持つ元ヒーローとのつながりを辿ってヒーロー族議員たちの醜聞を手に入れた光一たちは、それを様々な媒体で広めると同時に警察にも情報を流した。
警察はヒーロー族とのつながりから当初動きが鈍かったが、世論が反議員たちに傾くと、それに気圧される形で強制捜査が行われる。
警察ヒーローや特別警備会社の強襲で証拠を押さえられた議員たちは次々と逮捕され、『Villain.inc』に対する疑いは一応晴れることになる。
騒動後、ミレッタは光一に対して悪になることを望んでいたのではないかと問う。しかし光一は自分が目指しているのはすべての人類の敵である『絶対悪』であり、社会悪ではないと説明。
自分は絶対悪になることで人々に絶対正義を理解してもらいたいのだという。
ミレッタはその答えを聞き、自分の選ぶべき道に迷う。
6、
拘置所にいたミレッタの元上司ザンド博士が殺害される。ザンド博士はミレッタたちを変身させる身体強化薬の開発者であり、ミレッタの仲間たちの治療には不可欠な人材だった。
彼の死によって仲間たちの治療に大きな遅れが発生してしまい、ミレッタは塞ぎ込んでしまう。
ミレッタを励まそうと幹部たちが色々手を尽くし、彼女は久しぶりに故郷へと帰ることができた。
故郷では元ヒーローということで大歓迎を受け、子供たちにも大人気になる。
しかし、ヒーローと悪の組織の戦いに巻き込まれて命を落とした人々の家族もおり、彼らと住民の間で諍いが発生する。
それを止めようとするミレッタだが、彼女の力だけでは騒動は治まらない。拡大する争いの中、ミレッタを慕ってくれた子供のひとりが大怪我を負ってしまう。
それによって争いは収まったものの、子供は病院に運ばれて手術を受けることに。
付き添いをしていたミレッタの前に子供の両親が現れ、父親はミレッタを慰めてくれたものの、母親はヒーローであるミレッタがいたのに何故争いが起きたのか、なぜ子供が傷付いたのかとミレッタを責め立てる。
その言葉にショックを受けたミレッタは病院を飛び出し、ひとり歩いているところを謎の人物によって呼び止められる。
謎の人物は、この世界の平和のためには悪が必要なのだと説き、自分に協力するよう依頼する。
7、
『Villain.inc』に戻ったミレッタ。しかし元気はない。
彼女を励まそうと『Villain.inc』の人々が奮闘するも、効果はほとんどない。
そんな中で、ミレッタの仲間が目を覚まし、ミレッタに会いたがっているという。
ミレッタは面会を希望するが、仲間たちはまだ悪の組織に捕らえられていると思ったままであり、もしもミレッタが『Villain.inc』の一員として行動していることを知ったら、彼女を裏切り者として糾弾する可能性があった。
それでも仲間たちなら自分の言葉を聞いてくれるとミレッタは面会を希望し、その希望は叶えられる。
しかし、ミレッタの言葉は仲間たちには届かず、彼らはミレッタにヒーローとしての役目を果たせという。
仲間たちの態度に精神の均衡を失ったミレッタは、謎の人物から受け取ったデータデバイスを『Villain.inc』のメインサーバーに接続してしまうのだった。
8、
ミレッタの行動により、大混乱に陥る『Villain.inc』の本社。
同時に各地ではぐれヒーローの破壊活動が発生し、光一とミレッタは一緒に市民の避難誘導をすることになる。
その最中、ヒーローに襲われる光一とミレッタ。ミレッタがいつまで経っても光一を殺そうとしないため、謎の人物が配下のヒーローを使って襲わせたのだった。
その戦いの中でミレッタは光一に戦闘力がないことを知る。光一はごく普通の一般人であり、幹部たちのような戦闘力をなにも持っていなかった。
その事実に呆然とするミレッタ。そんな彼女にヒーローの攻撃が迫ったとき、光一がそれを庇って負傷する。
動揺するミレッタ。目的は果たしたと姿を消す謎の人物。そこにようやく幹部たち合流し、光一が搬送される。
平気だという光一が治療室に消えたあと、ミレッタは謎の人物との接触を幹部たちに告白する。しかし幹部たちはそれを責めず、ある人物とミレッタを引き合わせるとまだ混乱の続く街へと向かう。
9、
ミレッタは、幹部たちに案内された場所で自分の先代だったホワイトに会う。
彼女はミレッタのことを後輩と呼び、かつて自分たちがザンド博士たちに操られていたことを理解していた。
その上で彼女は、ミレッタに変身用のブレスレットを差し出す。
それはかつて彼女が使用していたものを『Villain.inc』の技術で改良したものであり、副作用なく変身することを可能にしたものだった。
先代ホワイトはいつかこれを使って光一たちに恩返しをするつもりだったが、今これが必要なのはミレッタだと言って、ヒーローではなく、ミレッタとしてしなければならないことをするようにとアドバイスする。
ミレッタは先代ホワイトにお礼を言うと、ひとり街へと向かう。
街中で正気を失って暴れるヒーロー。ブラックとホワイトが住民を避難させようと奮闘しているものの、避難できていない人々が多すぎてどうにもならない。
ヒーローがビルを破壊し、人々に被害が出そうになったところでミレッタが現れて変身し、ダークヒーロー・ブラックレイと名乗り、ヒーローたちを倒す。
戦闘後、幹部たちに、あなたもこっち側にきちゃったのねと言われ、ミレッタは「悪いひとに騙されるなら、自分が好きな人に騙されることにします」と答える。
エピローグ
治療完了した光一。自分がいなくなっている間に事態が解決してしまって事後処理に忙殺される。
ミレッタにも一応処分は下されたが、その内容が光一の世話だったことでミレッタ本人は満足気だった。
一方、謎の人物は姿の見えない誰かと会話をしている。
その誰かは謎の人物を偉大なるヒーローの後継者と呼び、いずれすべての人々は『絶対正義』を理解するだろうと言う。
物語は次巻へ続く。
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