記録16―平穏と冒険そして邂逅⑯―

茂みの濃い中を疾走。

背中に携えている槍を触れてスピネルは豊かな想像力を膨らませて魔法の炉を起こし超加速させる。

それらを読み取れた脳内イメージのデータにある求めし魔法を具現化しようとして高度な内蔵する読み解くシステムが判断力で導かせて起動する仕組みである。

こういった回路とあるのは単に魔法を展開するために必要な過程の代替として。それらの変換するためのエネルギー。

スピネルの槍にはそうした作業をこなすための魔法を決める超AI搭載される。

代理としてAIに任せることとなり異種族に関しては欠かせず魔力武器は一蓮托生の愛着が湧いて相棒ともよべる存在だ。


「逃げる方向を変えて攪乱かくらんさせて動いているのに、どうして私の位置が正確に分かるの。

ここまで追ってくるなら、やあぁぁーーッ!」


眼前に待機していた軍用オートマトンの〖AJ350ガングラン〗。

高さは約180メートル、頭部となる部位に機関銃が設置してあり手にあたる部分には木の枝のような手が伸びている。指を前へと突き出すといった奇妙な構えでスピネルに向けると指の穴から銃弾が飛んできた。

ガングランの武装はフィンガーから間断のない撃ち続けれる連射式となっている。

だがそれらすべてを回避してみせる。触れる直撃に見えない障壁でスピネルを守る。

槍桃色の髪を風で靡きながら強行突破してゆく。


「あれが神の手で作ったオートマトン……

激しい攻勢だけど大したことじゃないみたいね。追撃だけ特化した兵器なのかな?

うわぁっ!?また向かうところを先回りして待ち伏せ待機していた。だあぁぁぁッーー!」


樹林を加速して止まらず掛け進んでいく。

一歩でも間違えれば樹木に激突しかねない危険な行動。木と木を横切り縫うように駆け抜けるスピネルは確実に疲労を蓄積していく。

幹の陰に潜むようと疾走して横に急な方向を変えたりとしての繰り返し。

またも位置を正確に知った上で鈍足なオートマトンが先回りしていることに驚愕を感じていた。


「この先は……崖か。これは賭けるべき場面かな。それなら追ってこれない行くしかない。うわああぁぁぁーーーッ!!」


スピネルは近くの樹木に向かってジャンプして飛び降りるのだった。自由落下を身に任せながらスピネルは樹木に視界から飛び込むように近づくと枝を蹴って別の方向へ飛ぶ。

そして枝の上に着地した。そのあと地面に降りた先にあるのは青年が草を取っていた。


「こんな辺境なエリアにッ!?な、なにをされているのですか。そんな山間で」


「え、えーと……さ、山菜を……と、取っていた」


青年の姿で止まっていた内ケ島ウジマサは困惑していた。屈んでいたままスピネルの疑問を彼は途切れるような言葉で返すのだった。

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