★12月24日 (手紙を読み終えて①)
手紙を読んだ二人はしばらく無言だった。そしてミノルが口を開いた。
「由季先生、実は僕はあの時、ボールじゃなくて小さな黒いネコを見たと思ったんです。でも警察の人は、『フーン、ボール、または小さな生き物、猫?』とブツブツ言いながら手帳に何か書きつけていたんです」
「穂乃香ちゃんの自転車が倒れる前に、横からぶつかってきた物の事?」
「うん、そうなんだ。そしたら隣の別な警官が『猫なんてあり得ない。猫が何のため? コウモリじゃないか?』なんて言い出して。そしたら『ムササビもあり得る』なんて誰か言い出すし……」
「そうなの? 不思議よね。実は私にも不思議な事があるの」遠くを見るように由季が言った。
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