★12月17日 (夕暮れが終わる時①)

 あまり遠くまで行ってなかったので、レストラへはすぐ戻る事ができました。支配人さんは驚きもせず、「何かまだお聞きになりたい事があるのですね?」と言いました。

「はい。どうしてこの街はずっと夕暮れなんでしょうか? 日が暮れてしまう事も、日が昇る事もなく……」


「それですか……。簡単な事です。ここの住人の事を外部の人達が思う時に、または自分自身で思う時、日暮れをイメージしているからなんですよ」


「え? どういう事ですか?」


「お嬢さんはミーニャを思い出す時、いつもどんな感じでしたか?」


「そう言えば、最後にミーニャといた夕暮れ時の暗い林の中を歩く姿を思い浮かべてました。あとよく思い出していたのは、外国の本の挿絵を見た時。挿絵にある、薄暗そうな街をさまよっている姿がミーニャに見えたんです」


「ほら、そうでしょう? 明るい日向で遊んでいる姿を思い浮かべたら、ミーニャもこの街を出られるんですけどね」


 ミーニャが、みゃあと私達の方を向いて鳴きました。


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