★12月7日  (穂乃香からの手紙①)

 その四ヶ月後。


「司書の豊田先生、それにミノル君へ」

そう書かれた字は色々な向きにはね返り、それでも小さめに何とか便せんの罫線をはみ出さずに書かれてあった。それは穂乃香から届いた一通の手紙。



 「この間、お話をしたのがもうずっと昔の事のように感じられます。今、窓の外の雪を見ながら病院のベッドでこれを書いています。

 あの日、まさかこんな事が起きるなんて思いませんでした。

 二人には心配をかけてごめんなさい。前から噂されていたみたいに、図書館はこの春、廃館になっちゃうんですね。

 今まだ入院中で二人に会いにいけないので、こうやって手紙を書いて、何があったのか、何を見たのかお知らせします。


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