灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

599日目：また追加ですか？！

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・馬人（ばじん）の月二十日・属性(土)・天気：晴れ

　むぅ……ようやく終わりが見え始めていた初級降霊術（しょきゅうこうれいじゅつ）の個別課題（こべつかだい）に、また大量の追加がやってきました。

　はぁ～、初級降霊術の授業後、ユリン先生が笑顔で進捗（しんちょく）を尋（たず）ねてくるから、嫌（いや）な予感がしたんですよね。

　ちなみに、新しく渡（わた）された課題図書一覧（かだいとしょいちらん）ですが、相変（あいか）わらず難解（なんかい）な題名の書籍（しょせき）ばかり並（なら）んでいて、それらを確認するだけで、なんだかもう頭が痛くなってきます。

　しかし、この個別課題を進めれば進めるほど、安楽椅子（あんらくいす）のミスラが私の使（つか）い魔（ま）になっているのは、なにかの間違いのように思えてなりません……。

　霊的魔術（れいてきまじゅつ）の粋（すい）を集めたような存在が、どうして最適（さいてき）な魔術適性（まじゅつてきせい）である闇属性（やみぞくせい）ではなく、炎属性（ほのおぞくせい）の私を主人に選んだんでしょう？