331日目:カルド君の入試一日目

 八十七代魔帝暦まていれき二三年・双魚そうぎょの月第二十五日・属性(炎)・天気:曇り


 うぅ……昨夜は大変な目にいました。

 夕食後、約束通りに談話室へ行ったら、集まっていた女子生徒たちがカルド君との関係を色々とたずねてくるんです……。


 というのも、どうやら彼女たちのなかで、カルド君は私を追いかけ村から出てきた健気けなげ幼馴染おさななじみ、という設定になっているみたいなんですよね。

 まったく、あの子はそこまで可愛かわいい性格じゃありませんよ? 最近は特に生意気ですし……。


 そんなことを考えながら、朝日でかがやく校門の前にたたずんでいると、どことなく緊張した様子のカルド君が歩いてきました。

 今日は入試一日目ですからね、気持ちは分かります。でも、きっと大丈夫ですよ、カルド君! お姉ちゃんも応援してますから!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る