灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

208日目：見覚えのない封筒……。

　八十七代魔帝暦（まていれき）二二年・星蠍（ほしさそり）の月第二十五日・属性(水)・天気：雨

　夕食後、転校生の部屋へ行くと昨日、扉（とびら）の取（と）っ手（て）にかけておいた、菓子パンを詰めた紙袋が消えていました。ふふっ、ちゃんと受け取ってくれたみたいです。

　食事をする元気がまだあることに安心しつつ、今日の手紙を扉の隙間（すきま）に差（さ）し込（こ）もうとしたら、そこには見覚（みおぼ）えのない封筒（ふうとう）がすでに挟（はさ）んでありました……。

　私の他にも誰か、転校生へ手紙を書いてるんでしょうか？　ちょっと気になりますね。

　そうして、好奇心（こうきしん）に負け、悪いと思いながらも封筒をそっと手に取り確認すると、宛名（あてな）には『毎日やって来るお人好（ひとよ）しのお節介焼（せっかいや）きへ』と書かれていました……。

　これ……もしや、私宛（わたしあて）では？　よし、とりあえず部屋に持ち帰ってヌリアと相談です。