14.バスケットボールエレジー1

夢にまで見た大舞台


手が震えている


会場は人だらけでうるさい


いつも通り


右足からバッシュを履いた


一つづつ勝ち上がって


ようやくここまで来た


死ぬほど顧問に怒られて


ゲロ吐くまで走らされた


ここで終わるのか


もう少し先まで夢が見れるのか


やるべき事はすべてやったと


そう信じたい


いつも通り


右足からコートに入って


いつもの位置についた


ちらり応援席を見ると


おじいちゃんとおばあちゃんの顔が見えた


ちょっとだけ泣きそうになった


試合開始のホイッスルが鳴る


審判がトスしたボールが止まって見えて


うるさかった会場の音が


聞こえなくなった

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