9月(その3)

   

 毎月一回のトリミングは、ペットショップでやってもらっている。つまり最低でも毎月一回はペットショップまで行く、ということだ。

 そうなると、ついでにペット用品を買う機会となる。犬のおやつみたいな消耗品は、毎回のように買っているのだが……。

 九月には、全く予定外のものも購入。そのようなアイテムが存在することすら知らなかったのに、お店で見て「これは便利そう!」と思って買うことにしたのだ。

 ペット用のドライブシートである。


 それまではキャリーケースに入れて運んでいたが、成長するに連れて少しずつ窮屈そうになってきていた。子犬としても辛いようで、実際に一度だけ、車酔いみたいにして移動中に吐いたことがあった。

 その点、ドライブシートならば子犬も苦しくないはず。

 きちんと蓋をしていなければ飛び出すほど落ち着きがなかった頃は、ドライブシートなんてとても使えなかっただろうが……。少しは大人しくなったと判断したからこそ、可能になった移動手段だ。そう考えると、子犬の成長具合に感動してしまう。

 早速その日の帰りから自動車に備え付けて、それに乗せて帰ることになった。


 私が隣に座っているので、例えば「子犬がはみ出しそう!」という場合は手で押さえていた。

 今思えば、ずいぶんと過保護な話だ。

 最近ではこの当時とは異なり、子犬が大人しくシートに収まっているのは、自動車に乗り込む時とその直後だけ。自動車が動き出すと私の膝の上に移動して、窓の外の景色を食い入るようにして眺めている。外を見るのがよほど楽しいらしい。

   

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