第25話 イベントへ向けて
ガチで優勝目指します。
私は現実世界にいてもやることはないので基本的にずっとこのゲームにいる。
そのプレイ時間の差を見せつけてやる!!
今の私のレベルは65です。
とりあえず大会まであと4日なので大会までに70レベルまで上げていきたい。
実は私はこのゲームの中でずっと戦ったりしてレベルを上げているわけではない。
もともと現実世界でできないことをしたいと思ってこのゲームを始めていたので、観光をしたり食べ歩きをしたりしているのだ。
まあそれを含めてもほかの人よりレベル上げをしている時間は長いだろう。
そんな私が観光もせずに本気のレベル上げをする。
「絶対に勝って見せる!!」
いままでここまで熱くなったことはあっただろうか。
私は燃えている!!
それから入ってはレベル上げ入ってはレベル上げという日々が続いた。
その間に、この前獲得したスキルを使いながら戦ってみたのだが、これは非常に便利なスキルだ。
地面をいじることで柱を出したり相手の位置にくぼみを作ったりなど幅広い攻撃ができるようになる。
相当チートスキルだと思う。
レベル上げは基本的に2層で行った。
実はこの前言った2層のメサのところに廃鉱山のようなものが多くあって、そこにモンスターがたくさん湧くのだ。
レベルも平均して8くらいと高めで一気にたくさん出てきたので効率が良かった。
レベル上げ初日はまだ風が止んでいなくてあまり人は来ていなかったのだが2日目から風が止んだので多くの人がレベル上げに来ていた。
なので私はさらに奥に向かうことにした。
この廃鉱山は結構奥に行くほど入り組んでいて、出合頭にモンスターと遭遇することもあったのでホラーゲームをやっているような感覚だった。
何回か叫んだと思う。
いや、薄暗くて狭い道を歩いていたら急に角からモンスターが出てくるんだよ!?びっくりするでしょ!!
実際その廃鉱山に出るモンスターがゾンビみたいなモンスターとか骸骨とかでマジでお化け屋敷だった。
ゾンビは別に問題なかったんだけど、骸骨を倒すのが大変だった。
まず全身骨なので剣が刺さらないのだ。
それにどこを落とせば倒せるのかも検討が付かない。
そこで役に立ったのがこの前手に入れた『造形』のスキル。
天井と地面をいじって骸骨をつぶすようにしながら倒していった。
もう廃鉱山の道すべてにそれをやったらめちゃくちゃ効率いいんじゃないかとか思ったんだけど、プレイヤーがいるかもしれないのでそれはやめた。
しかし集団でモンスターが出た場合とかはめちゃくちゃ楽でよかった。
でもすべてをそれに任せていたら双剣の腕がなまってしまうので適度な使い分けも重要だ。
実際相当双剣の腕は上がったと思う。
接近戦になっても相手の攻撃を読んでかわすことができるようになったのだ。
以前から攻撃をかわすことはしていたのだが、多少距離が離れている相手じゃないとできなかった。
でも今はほんの数十センチでも躱せる……と思う。
ちょっとメアリーみたいに大剣で一掃されたらわからないけど、まあたいていの人は大丈夫だろう。
結果3日ほど本気でレベル上げを行ってようやく70レベルまで到達した。
朝から晩までずーーーーーっとレベル上げレベル上げレベル上げ!!
正直精神的な疲労がすごかったので4日目は1日休暇を取ることにした。
休暇といってもメアリーに頼んで剣の補修をしてもらったりとかそういう時間に大半を当てた。
「こりゃ、相当雑に扱ってるんじゃないの?固いもの切ったりしたでしょ。」
「……ごめん。結構扱いはひどいかもしれない。」
「ふん、まあいいわ。少しでも切れ味悪くなったらすぐに来てね。」
メアリーは本当にやさしい。
「多分私メアリーに出会えてなかったらこんなに強くもならなかったし、もしかしたら続けられてないかもしれないよ。」
「えっ、ちょっと急にどうしたの?」
メアリーは頬を少し赤くしながら答える。
「いや、なんかね。そう思ったんだよ。」
「あっそ。感謝してね!私に!」
「うん、ありがと。」
「クゥン……なんか、ユウヒがいつもと違ってやりにくいよ……。」
明日はついにイベント当日です!
頑張るぞ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます