第24話 イベントの情報

ということで私とメアリーはいま仲直り会という名のお出かけをしています。


1層町の中心に面しているおしゃれなカフェで、結構高いので上位の女子プレイヤーが多くいるそうです。


私は誰が上位のプレイヤーなのかなんて知らないので関係ありません。


「お~!このシュークリームおいしそう!!」


「ほんとだ!おいしそうだ!!」


「よっしゃ!!1層攻略でたんまりお金入ってるから食べまくるぞ!!!」


「よっしゃあ!ゲームの中だからカロリーも気にしなくていい!!最高だ!!」


そういってメアリーは目についたスイーツを大量に頼んでいく。


「ちょ、メアリーそれ食べきれる?」


「だいじょーぶだよ。余裕余裕。」


ほんとかなぁ……。


小柄な少女が食べきれるような量ではないと思うんだけど……。


私は普段から量が少ないので先ほどのシュークリームを1つだけ頼んだ。


「うぉおおぉおお!来た来た!!」


さすがはゲームの世界。


頼んだ商品がすぐにやって来た。


「うわ!めちゃくちゃおいしそう!!」


メアリーは「いただきまーす!」と元気よく言った後にバクバクと食べ始めた。


大量に注文していたスイーツがみるみる減っていく。


私がシュークリームを食べ終わるころにはすでにすべてのスイーツがなくなっていた。


「いや~、おいしかった!」


「ほんとだね。メアリーのお店からも近いからいい感じかもね。」


「そうだね~、また来るよ。あ!そうそう。ユウヒイベントの情報もう入ってる?」


「ん?イベント?」


「そう。さっき情報が発表されたんだよ。このゲームの最初のイベント。」


「いや知らなかった。どんなイベント?」


どうやら私が檻の中にいる間にイベントは発表されていたらしい。


イベントの名前は『The First Tournament』通称TFT。


内容としてはシンプルで、プレイヤー同士が1対1で戦っていくトーナメント形式の大会。


今週末に開催されるようで、上位入賞者には特別なアイテムがプレゼントされるらしい。


この1層の町の混雑具合からもわかるようにこのゲームは本当にプレイヤー数が今増えていて相当数の参加が予想されているらしい。


「ユウヒ、もちろん参加するでしょ?」


「もちろん!楽しそう!!メアリーは?」


「私はTFTには出ないよ。それは戦闘系職業の人に向けてのイベントだから。一応サブ職業として出ることはできるけど今回はいいかな。一応今後は生産職の人向けのイベントもあるみたいだから私はそっちに出るようにするよ。」


「そっか、戦いたかった。」


「いや私が戦ったらぼこぼこにされるでしょ!」


「そういう問題じゃないの!」


多分メアリーはサブ職業でありながらも大剣の使い方は相当上位のプレイヤーに入ると思う。


普通に入賞すると思ったんだけどなぁ。


私はちょっとほっぺたを膨らませて怒ったアピールをしてみる。


それを見たメアリーはあきれたような顔をした。


「実は同時に別のイベントの情報も公開されたんだよ。開催は2週間後だよ。」


「ほぉ……、どんなイベント?」


「パーティーを組んで行うバトルロワイアル形式の大会だよ。それに一緒に出よう。」


「うぉお!!出る出る!!!私ダブル優勝狙っちゃうから!!」


「実力を見るとマジでできそうだよ。有言実行待ってる。」


「任せて!!!」

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