②ハローの終わりから…………こんにちわ

Aぁ.S/key

プロット


〇タイトル『ハローの終わりから…………こんにちは』


◯世界観

現代日本、知られてはいないが実は宇宙人が存在する世界。


〇作品紹介

 現代日本、人間が異形(立体物や動物など)に見える奇病を患っている高校生、星井光一郎は人間が異形に見える以外は平穏な生活を過ごしていた。ある日、彼のクラスに天道アルマが転入してくる。

 初めて人間に見えたアルマに一目惚れし、好きになってもらえるように奮闘する光一郎。ついにアルマに告白した時、彼女から衝撃の事実が告げられる。

「私は『ハローの終わり』からきた異星人。君たちの聞きなじみある言葉で言うと宇宙人……だ」

 その後、地球人の生態調査の協力を頼まれる。

 ショタ系料理男子の光一郎が、クール天然のアルマが提案するちょっと変わった調査に巻き込まれていく、ライト共依存SFラブコメ。



〇テーマ

『クーデレ高身長女子とショタ系低身長男子の共依存ラブコメ』

『少し変わった青春群像劇』


〇参考作品

『おやすみプンプン』

『エヴァンゲリオンシリーズ』

『涼宮ハルヒシリーズ』


◯主要キャラクター

主人公

星井ほしい 光一郎こういちろう(ほしい こういちろう) 男性 高校生 17歳

奇病を患う料理男子。通称コーイチロー。物心ついた時から、人間が異形(立体物や動物など)に見える奇病を患っている。そのせいで子供の頃は内向的だったが、高校デビューを目指して無理に明るく振る舞っている。一人になると寂しくなって考え込む。

病気のせいで誰かを好きになったことがない。

初めて人間に見えたアルマに一目ぼれし、好きになってもらうように頑張る。アルマの事を知り、結婚したいに変わる。

母親が食に感心がないため、料理が出来る。

人間は異形に見えているが、他は普通に見えている。

容姿:前下がりのマッシュショート。黒髪。身長はアルマ(ヒロイン)より低い。高校生だがショタイメージ。

「食事を怠ると、心の栄養失調になるよ」「僕に毎朝あなたのお弁当を作らせてください」


ヒロイン

天道てんどう アルマ(てんどう -) 女性 高校生 異星人 年齢不明(見た目十代) 

地球外生命体1号。銀河ハローの端の星『ハローの終わり』からやってきた異星人。戦闘型。寡黙でミステリアス。上司からもらった資料や知識(漫画・アニメ)を駆使して、地球人の生態調査を行う。だが、彼女の周囲を気にしない天然な性格が影響して、ちょっと変わった調査を行う。

人間のことや感情を理解したいと思っていて、光一郎のことが気になっている。

戦闘型なので、エネルギー消費が激しいので、よくお腹を空かしている。地球のご飯のおいしさを知り、更に食べるようになった。

治癒能力を持ったナノマシンを生成でき、治療を行うことが出来る。

基本無表情で感情の起伏が少ないが、食事の時と光一郎の前だけ感情豊かになる。

容姿:長いまつ毛とツリ目。長い黒髪。凛とした顔。筋肉質な体つき。高身長。

「私は『ハローの終わり』からきた異星人。君たちの聞きなじみある言葉で言うと宇宙人……だ」

「こういう時……は、マイアサワタシノタメニ、ゴハンヲツクッテクダサイーだった……か」


サブヒロイン

垂野たれの うさみ(たれの -) 女性 高校生 17歳 

ツンデレ幼馴染うさぎ。普段は素直で甘え上手だが、光一郎に対しては勝ち気になり、素直になれない。

姉のおさがりばかり与えられ、自分の物が少なかったため独占欲が強い。初めて友達になった光一郎を自分の物にしようと執着する。料理が下手。

自身のコンプレックスを刺激する泰道に少し苦手意識を持っている。

容姿:ツーサイドアップでクリっとした瞳の可愛らしい女の子。トランジスタグラマー。

光一郎には服を着た兎(ロップイヤー)をベースにした人間に見えている。要は獣人。

「う、う、うう、うるさいわね! アンタはアタシを見てればいいのよ!」

「なぁによ~光一郎のくせに~~~」


サブキャラA

機械島きかいじま 泰道やすみち(きかいじま やすみち) 男性 高校生 17歳

陰のあるイケメンロボ。軟派で女好きな性格。全てを語る事を嫌う。友達思いで主人公の悩みに対して親身に対応する。女性と付き合って別れるを何度も繰り返す。

実は幼い時の病気で子種(玉)がない。男性を求められるたびに、自分の中にないものを実感し、嫌悪感に襲われる。肉体関係などなく、心で通じ合える男女関係に憧れている。

顔や肉体は女子受けするモノが備わっているが、男性の部分に自信がない。なので自虐を言う事がある。

男友達とバカしている時も好きだが、本質的に女好きなので女性の方へ行ってしまう。

容姿:かりあげサイドバックのイケメン男子。光一郎には人型の変形ロボットに見えている。

「まぁオレみたいなのでも彼女出来るんだ、お前たちにもその内彼女出来るだろ」

「オレのおさがりじゃないといいけどな」


サブキャラB

まく 揺多ようた(まく ようた) 男性 高校生 17歳

立体的ムードメーカー。今この瞬間が楽しければいいと思って生きている。明るく楽観主義で、軸がブレている。モテたくて誰でもいいから付き合いたいが、空回りしてしまう。

フットワークが軽く、交流関係が豊か。コミュ力が高く、初対面の人でもすぐに打ち解ける。

やりたいこともなく軸がブレているので、昨日と言っていることが違うことが多々ある。

容姿:金髪ツーブロマッシュの男子。光一郎には正三角形や球体などの立体物に見えている。日や彼の気分によって変化する。

「昨日のサッカー見たかよ、今の時代スポーツ出来ないとダメだな!」

「スポーツなんてダセーよ、今はバンドだよ! 俺は今、モテる気配を感じる!」


サブキャラC

大幸たいこう あい(たいこう あい) 女性 高校生 17歳

優しい委員長。温厚で分け隔てなく優しい性格。学校内の彼女にしたい女子ランキング一位。率先して面倒ごとを引き受けて、みんなから愛され必要とされている。

「これはね、素直になれるおまじない」「天道さんを気にかけてくれて、私すごーく助かっちゃうな~」

容姿:姫カットのたれ目の美少女。豊満な体形(特に下半身)。


実はアルマより先に来た地球外生命体0号。異星人。バランス型。地球人を下に見ている。プライドが高く、自己中心的。自分の理想のためなら平気で周囲を蹴落とす。自分より劣っているくせに評価されているアルマの事が嫌いで、いつか蹴落としたいと思っている。

神経に作用するナノマシンを生成でき、洗脳・催眠能力を持つ。

光一郎には胸から上に黒いモヤがかかって見えている。正体を明かしてからは人間に見えるようになった。

「いらないって言ってるでしょう、こんな畜生飯」「私たちが、今までこの太陽系に訪れなかったのは、訪れる価値が“ない”と判断していたからですよ」


サブキャラD

・クエース 女性 年齢不明

『ハローの終わり』の長。アルマや愛など異星人を生み出した存在。母性が強く優しいが、間が悪い。愛が本性を隠している時の性格の参考元。

時を止める能力を持っている。

崩壊の危機に瀕している『ハローの終わり』の次の移住先を探している。

「ハロー、アルマちゃ~ん元気~。大丈夫、ちゃんとご飯食べてる?」

「それが我が子の選択ならば、母たるわたくしは見届けなければいけませんね……」


サブキャラE

三色さんしょく 信香のぶか(さんしょく のぶか) 女性 教師 二十代後半

光一郎の担任の先生。落ち着いている。

容姿:ポニーテールの女性。光一郎からは信号機に手足を生やしたマスコットキャラに見えている。


・用語説明

『銀河ハロー』……現状ハップル宇宙望遠鏡で観測できる一番遠い銀河。


『ハローの終わり』……アルマたちが住んでいた星の通称。現在は崩壊の危機に瀕している。移住先を見つける為、太陽系へ精鋭を送る。元の星名は人類言語ではうまく発音できない。


『異星人』……『ハローの終わり』に住む宇宙人。体内でナノマシンを生成できる。人類より優れた技術力を持っているが、感情部分が未成熟。


『異星人の宇宙船』……高い技術力で作られた宇宙船。一人乗りで肉体そのものは搭乗することは出来ず、肉体を情報へ変換して搭乗する。情報を積める量に限界があり、超えると動かすことが出来ない。


『調査』……調査は主にツーマンセルで行う。一人はその星の知的生命体の生態調査。もう一人は文化調査。現住知的生命体の協力者は一名まで許される。それ以外の知的生命体にバレたら、その者は処分する。一度任務を終えた者は、同じ星に訪れることは許されない。


初星ういぼし高等学校(ういぼしこうとうがっこう):光一郎たちが通う高校。地域の繋がりを大切に思っており、イベントのたびに生徒たちの家族を招き入れる。


◯物語構成

文庫ラノベ1巻で全5章想定。各章1~3万文字想定。1巻7~10万文字ほど。

2巻以降もっとサブキャラと絡ませたり、主人公の病気のことを治したいと思っています。


・プロローグ:特A ひとめぼれ

 現代日本、四月中旬。人間が異形(立体物や動物など)に見える奇病を患っている高校生、星野光一郎は、友達の機械島泰道、幕揺多。そして幼馴染の垂野うさみと、人間が異形に見える事以外は平穏な高校生活を過ごす。

 そんなある日、光一郎のクラスに天道アルマが転入してくる。初めて人間に見えるアルマに一目惚れをする光一郎。この時、光一郎は彼女こそ自分の運命の人だと確信する。

 みんなおめでとう、新しい祝日の誕生を祝おうと光一郎は思いました。


・1章:スクラップ&ビルド&おにぎり

 クラスメイトがアルマを夢中になる中、光一郎は泰道と揺多に、アルマに一目惚れしたことを告げた。二人は奇病の事を気づかいながら、もう一度思考することを進めてくれる。

 放課後、光一郎はアルマの事を思うと昼食も喉を通らなかった、この想いは勘違いなのかと思考する。すると帰り道、公園の砂場でアルマが一人で砂の城を作る姿を目にした。話しかけると「作る事は楽しい事だと聞いた」と言われる。仲良くなるチャンスと思い、参加する。

 苦労の末、砂の城が完成。と同時にアルマは何の躊躇もなく壊し始めた。慌てて理由を聞くと「スクラップ&ビルドは楽しい事だと聞いた」と答える。完全に壊し終え、満足そうな彼女の腹が鳴った。おもむろに固形の栄養補助食品を食べるが、まだ鳴り続ける。光一郎が気を使って食べられなかった昼食のおにぎりを渡すと、無垢な笑顔を浮かべ食べはじめる。その笑顔を見た瞬間、光一郎はやっぱりアルマは運命の人だと確信した。

 勢いのまま告白をすると、真面目に断られる。「理由としては私が異星人だからだ」と告白される。ご飯粒まみれの顔で。


・2章:お弁当とハグ

 アルマが『ハローの終わり』からきた異星人であるや、一か月間の地球人の生態調査を目的に来た事を告白される。ご飯粒まみれの顔で。

 一通り話した後、光一郎に機密内容を指摘されアルマはしまったという顔をした。

 その時、アルマの通信機に着信が入る。着信者は『ハローの終わり』の長であるクエースからだった。光一郎の事を話すと、クエースから『現住知的生命体の協力者は一名まで許される。』と教えてもらう。改めて調査協力者になることをアルマに頼まれ、振り向かせる為、了承。

 次の日の昼前、光一郎はアルマから「調査したいことがある」と裏庭まで連れてかれる。着くとアルマは準備運動をしながら、ハグの調査を提案した。

 光一郎が同意すると『両椀解放、エネルギー充填中』など物騒なことが聞こえてくる。そしてアルマが腰を落とし、光一郎に向かって突撃。恐怖を感じ光太郎は、すかさず避けると後ろの大木が無残にへし折られた。

 驚いているとアルマに調査失敗を残念がられる。生きる為、光一郎はハグの手本をしてみせる。ハグをしていると、アルマの腹が鳴った。

 栄養補助食品を食べるアルマに、光一郎はお弁当を渡す。おにぎりとは違う食事に感動し、アルマは「こういう時……は、マイアサワタシノタメニ、ゴハンヲツクッテクダサイーだった……か」と言う。悶え赤面する光一郎は「僕も……」と言おうとするが、チャイムが鳴り昼休憩終了。気を落とした光一郎が帰ると、大幸愛とぶつかる。ちょっとしたハプニングの後、愛からアルマの事を頼まれる。

 光一郎を見送った愛はうさみに接触し二人の事を吹き込む。


・3章:口噛み酒と遊園地デート

 次の日、光一郎はうさみに昼食を誘われたが、アルマと食べると言い断る。その様を揺多たちに煽られ、反撃していた。途中で愛に授業参観で、来校者へ料理を振る舞うから手伝ってほしいとお願いされる。アルマの居場所を教えられ、屋上へ向かう。二人で弁当を食べていると、アルマからアーンを提案される。

 警戒する光一郎をよそに、アルマはソニックブームが発生する速さでアーンした。光一郎は避けるが、水筒に直撃し破壊。アルマが光一郎に覆いかぶさる体勢になり、困り顔で「また……避けた」と言われる。その様子をうさみに見られ、癇癪を起した。誤解を解き、光一郎は飲み物を買うのでこの場を離れる。二人を心配しながら戻ると、アルマがうさみに口噛み酒を口移ししていた。

 うさみの説明によると会話なく昼食が始まり、ペース配分を間違えて白米だけ残った。二人とも白米が残り、アルマが口噛み酒を密造。うさみが飲むのを拒否すると羽交い絞めされアーンされた。騒ぐうさみをよそに、光一郎は二人へ飲み物を渡す。

 アルマは二人が幼馴染だと知り、過去を詮索。そして光一郎の奇病の事を知り、更に興味を示す。うさみは不満げな表情で、飲み物を飲むと昔から好きなココアだった。光一郎の気遣いに静かに喜び、アルマに宣戦布告。

 その後うさみは愛にお礼を言いに行き、様子がおかしくなる。

 放課後、光一郎は生気のない目のうさみから、デートに誘われた。

 デート当日、光一郎が断っても、うさみが騒ぐので仕方がなく決行。前日にアルマが調査の為、二人のデート観察をすると言われる。

 遊園地デート中、うさみの様子に違和感を覚える光一郎。誘った理由を聞くと、素直になれるおまじないの効果と言い、見知らぬ印が付いた右の掌を見せるうさみ。

光一郎は隙を見つけ、アルマと接触する。彼女と相談し、光一郎はうさみに確かめたいことがあると伝え、アルマもフォローすると言う。そして二人のデートを観察していたアルマから「光一郎が隣にいないことに違和感と心にざわつきがある」と吐露された。するとうさみが光一郎を探す声が聞こえる。うさみの元へ行き、飲み物を差し出す。だが、それよりも彼女は光一郎を求める。違和感が確信になり、光一郎はうさみを問い詰めた。みるみるうちにうさみの目の色は狂気の色へ変貌、襲い掛かる。彼女の狂気に圧倒され、動けなくなる光一郎。

 そこへアルマが現れ、うさみは彼女に襲い掛かる。アルマが指を鳴らすとうさみは苦しみだし、呻き声をあげて倒れる。不思議そうに光一郎が見ていると、調査の為、彼女に口嚙み酒を通して、ナノマシンを注入したことを教えてもらう。恐怖する光一郎をよそに目を覚ますうさみ。もうろうとして記憶も定かでなく、また眠ってしまう。

 帰り道、うさみを家まで送り返し、アルマから報告があると言われる。

「もう調査終了だから、私は帰還する」


・4章 ダイエットとさようなら

 帰還を告げるとアルマはポケットから宇宙船を取り出し、帰ろうとする。心の準備が出来てない光一郎は行かないようにせがむが、そこにクエースから着信が入った。

 準備進捗を聞くクエースに光一郎は、せめて再会できるか確認する。しかし、規則で『一度任務を終えた者は、その星に訪れることは許されない』と申し訳なさそうに告げられた。出発準備をするアルマ。宇宙船に搭乗し発進しようとするが、警告音が鳴る。

 クエース曰く、情報過多で宇宙船を動かせない。調査情報を減らすことが出来ず、減らせるのは肉体情報。体重を落とす事、つまりダイエットしかないと言う。

 図々しくアルマは光一郎にコーチを頼み、光一郎は引き受ける。こうしてアルマのダイエットが始まった。一週間以内に10キロ落とす為必死になるが、食の快楽を知ったアルマには苦行だった。光一郎も妨害してアルマを帰還させないようにするか葛藤、だが彼女の頑張る姿を見て、応援することに決める。

 うさみ、泰道、揺多にも協力してもらいボクササイズやランニングなどを取り入れる。面白楽しくなるべくアルマの負荷にならないよう体重を落としていく。

 目標体重に近づいたある日の朝、アルマは「なぜ私の為にここまでしてくれるんだ?」と聞く。光一郎は「最初に言ったじゃないですか、貴方の事が好きだからです」と言うと、アルマは顔を真っ赤にして「熱が出た、走ってくる」とその場からいなくなる。

 そこへデートの事を思い出したうさみから、愛から素直になれるおまじないを受けたことを知る。

 昼屋上、アルマに弁当を持っていくと、アルマと愛が口論をしていた。内容はアルマが一方的に責められていた。場を和ませる為、光一郎は愛にお弁当を進める。だが愛は「いらないって言ってるでしょう、こんな畜生飯」と言い、光一郎の弁当を蹴とばし中身が地面に散乱した。

 光一郎は脳の処理が追い付かず、固まって泣く。怒ったアルマが愛に拾えと怒鳴る。感情的に怒るアルマに呆れ、彼女は落ちた中身を集めて汚らしく音を立てて食べる。

 愛は光一郎にアルマとの関係、うさみを洗脳し早急に調査を終わらせた事を説明し、最後に光一郎を処分すると言う。アルマは「現住知的生命体の協力者は一名まで許される」と拒否するが、「そんなブザマな事は“私が”認めません」と否定合戦。騒ぎを聞きつけ野次馬が集まってきた。

 愛は野次馬にアルマから暴力を受けたと嘘をつき、二人の状況を悪くした。野次馬が愛を信じ、謝罪を要求した時、愛がいいことを思いついたと言い鎮める。

そして、授業参観の来校者に振る舞う料理で決めようと提案。どちらの料理が優れているか投票することになった。野次馬を帰らせ、二人にはこの対決にクエースは干渉しない。負けた方は強制送還と追加する。

 この事をクエースへ報告し、哀しみながら了承した。お互いの尊厳を掛けた戦いが始まる。

 光一郎は対決の事だけをうさみたちに伝え、みんなと愛を倒す料理を考案。メニューを決め、光一郎はアルマに料理を教えていく。二人は幸せでどこか寂しい時間が流れる。

 対決前日、光一郎はアルマとの最後の打ち合わせをするために、家で待っていた。そこに愛が現れ、光一郎の視界は黒に染められた。


・5章 授業参観とバトルにぎり

 対決当日、登校中に光一郎は、天道アルマと名乗る白いモヤがかかった女子に心配される。知らない人に声を掛けられ不安になる光一郎の元へ、恋人の愛がやってきた。

 アルマに見せつけるようにイチャつく愛、その姿にアルマは言葉を失う。アルマが凄みを利かせて事情を聞くと、愛は昨日光一郎を洗脳したことを教える。

 好意と記憶の改変と認識洗脳が施された光一郎は、アルマの事が白いモヤがかかった女子に、更に人間が一般人と同じ感覚で見えるようになった。そして、愛を恋人と認識していた。

 非人道的行為にアルマは怒りをあらわにし、愛を掴みかかろうとする。だが、光一郎が盾となって止めた。光一郎には洗脳や認識改変の内容が、認知出来ないようになっていた。

 二人は駆け落ちする恋人のように学校へ行き、何も出来なかったアルマはその場に立ち尽くす。教室に戻ったアルマは異星人のことを伏せて、うさみ達に二人の事を話す。落ち込むアルマをうさみが励まし、アルマの手料理で光一郎を元に戻そうと提案した。

 授業参観が終わり、二人の対決が始まる。ルールは授業参観に参加した親御や生徒に料理を振る舞い、どちらが好みか投票してもらう。票が多かった方が勝利。

 愛は凄まじい速さで高級食材を的確に調理していき、大量の高級フレンチが出来上がる。光一郎も後ろにいたが、調理には参加できず、食器を並べている。一方アルマは光一郎に教わった丁寧で心を込めた調理をしていく。うさみ達にも手伝ってもらい、忙しそうだが楽しく調理していた。その姿を見て、光一郎は既視感を覚える。調理が終わり、人々に料理を振る舞う。

 大勢の人が愛の高級フレンチの方へ足を運んでいく。だが季節外れの寒さに煽られ、人々はアルマ達が用意した温かい甘酒とココアに足を運ぶ。そして出てきた心のこもったおにぎりが入ったお弁当に舌鼓をうっていた。

 両者盛況の中、アルマは光一郎に手作りお弁当を食べてほしいと言う。何故か食べた方がいい気がした光一郎は、お弁当を食べる。すると視界がブレて、アルマにかかったモヤが取れそうになった。だが、愛が自分の料理を食べさせ、またモヤがかかる。そのまま愛が光一郎を連れていく。アルマは下唇を嚙みながら、闘志を燃やす。

 そして投票が始まり、最初は拮抗していたが、段々とアルマが優勢になる。揺多に煽られる愛だが、笑顔のまま合図を出す。洗脳された人々が愛の方に投票し、気が付くと同点になった。投票は全て仕組まれたものだと愛は語る。

 ついに最後の票を持った人が現れた。それは光一郎だった。

 愛の方へ入れようとする光一郎へ、アルマは負けてもいいから自分の方へ入れてほしいと懇願する。戸惑う光一郎と笑う愛。光一郎の視界がまたブレて、モヤが段々晴れていく。

 アルマは自分の気持ちを吐露した。

「今わかった。コーイチロー、私は、君の事が好きなんだ……」

 光一郎の視界に入ってきたのは目に涙を溜めて告白するアルマだった。

 光一郎の視界に亀裂が入り、崩れ落ちる。彼の洗脳は解け、アルマに票を入れる。アルマが勝者となった。

 愛は幸せな二人に納得できず、集計係を洗脳しようと手を伸ばす。

 刹那、時が止まる。

光一郎、アルマ、愛のみが動けるようになる。辺りが暗くなり空を見ると、空を隠すほど巨大なクエースが現れた。

 二人の勝利を称え、愛を諭す。それでも抵抗する愛を強制送還し、アルマに前より情報を積める量の多い宇宙船を渡す。それで帰還することを伝え、クエースは消えていく。

 そして、時が動き出し。愛の情報はみんなの記憶から消えていた。

 二人は自分たちだけ愛を知っている事がおかしくなり、笑い合う。

 数日後、アルマは新しい宇宙船をだして、搭乗するが相変わらず積載量を越える。悩んだアルマは自分の長い髪を切り、光一郎へ渡す。体重が減り宇宙船を動かすことが出来た。

 別れの時、光一郎は「もしも、もう一度会うことが出来たら、その時はあなたに毎朝お弁当を作らせてください」と告白する。アルマは頷いて光一郎に優しいキスをした。そして、宇宙船に搭乗する。発進し小さな光になるまで、その姿を光一郎は泣きながら見つめていた。

 宇宙船の中、アルマは船内で水分情報を検知した音を耳にする。検知先はアルマ自身から。

 その時、自分が初めて泣いていることに気が付いた。「こんなに愛していたのか……」


・エピローグ ハローの終わりからこんにちは。

 数日後、天道アルマという存在は光一郎だけが知る情報へ変わっていた。

 光一郎の人が異形に見える奇病は相変わらずで、前と変わらない少し変な日常を過ごしている。

 そして、今日は転入生が光一郎のクラスへやってくる。ドアが開いて、入ってきた“人”を見て光一郎は思った。

 みんなおめでとう、新しい祝日の誕生を祝おう。


 次回から機械島が光一郎とアルマの関係に羨ましく思い、アルマを奪おうとします。ですがアルマに入る余地がないことを知り、諦めます。そこへ新たな宇宙人が……みたいにします。あとは光一郎の奇病の掘り下げをします。

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