第248話 仲良しです

 …とまあ、大きなところはこんなところだろうか…。

 そんなこんなありつつも、俺は現在を迎えている。


 …え?領主の話はもっとあるだろっ!って?


 ………………………記憶にございません、ごめんなさい。


「「何かあったのよ、きっと」」

「「何かあったんだな…」」

「ユーリ、報告はきちんとしないとダメだよ?」

「ユーリ兄、ちゃんと話さないと…」


 久々登場の兄姉ズはだまらっしゃい。モノローグに入ってくるんじゃありません。何も無いったら無い。…あとレイナは全部言いなさい。その先が怖えよ…。


「くっ…私としたことが。ユーリウス様の『何か』を見逃すとは…」


 うるさいシーバス。お前は義祖父さんとダンジョンにでも潜ってろ。


「ユーリウスは年寄りに厳しいのう…」


 黙れ義祖父さん。突然弱々しいご老人を演じるんじゃあない。そんなムッキムキな弱々しいご老人はいない。


「ダメよユーリウス。お義父様にはもっと優しくしてあげないと。あとシーバスにもね」

「そうだよユーリウス。お義父さんもシーバスもいい年なんだから…」


 父さん母さんはすっかり二人の味方である。あんなにムッキムキなのに…。騙されるてぞっ、早く気付いてっ!


 そして俺は見逃さない。そのやり取りを見てニヤリ…と義祖父さんが口角を上げるのを…。

 良いだろう…あとで最近開発した『上級覇王雷影弾』をお見舞いしてやるぞ。

 もちろん、この技の上位はアレ『超級げふんげふん』である。


「ユーリウス、お父様が死なない程度にしてあげてね」

「お義父様、元気過ぎるのよね…」


 …と、義母二人も昔に比べてすっかり馴染んでいる。

「…普通は止めるところじゃないかのう」


 うむ…良い光景である。


「無視っ!?儂、無視されてるっ!?」

「大旦那様…」


「ええいっ、シーバスっ!そんな見え透いた『およよ…』はいらんわっ!」


 そんなこんなでゼハールト家(若干二名除く)は今日も仲良しです。



 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る