第241話 帰還
まったく順調ではなかった、初王都へのお出かけと初国王との謁見、さらには初魔人との戦闘など…多数のイベントを経て、追加イベントぉっ!と言わんばかりにデュナメス公爵との会談まで無事?終了。
俺は我がホームグラウンドとなるヴァーチェへと帰還した。
道中、珍しく盗賊に狙われるも、自慢のゼハールト家専用高機動型馬車IWSPの性能と牽いている馬への付与魔法により、盗賊が駆る馬が追い付けないという面白イベントが発生したが…
「このまま逃げるのも有りなのですが…そのままにすると別の所で被害が…」
…と言うシーバスの助言もあり、ソレはいかんっ!…と引き返して捕縛。最寄りの町の詰所に突き出して、めでたく俺たちのお小遣いになったことを報告しておこう。
ゼハールト邸に到着すると家族や使用人たちが出迎えてくれたのは、やはり嬉しいもので…俺はニコニコで屋敷へと入る…が…
「ユーリウス…全部君宛てだよ」
父さんはそう言い、俺にドサリ…と手紙の束を渡してくる。………え?…こ、コレは?
「中は確認していないけれど多分…」
父さんには予想がついているようだが…俺はソレを持って自室へと移動。着替えもあとに手紙の束に手をつける。
「………………………………」
手紙に書かれていた内容はおおまかに分けて三つ…。
・成人後に当家へ仕えないか。
・当家の娘との婚約を。
・王女を誑かした愚か者に鉄槌を。
お、おおぅ…面倒そうなことばかり書かれていやがる。…というか最後のはおかしくない?
しかし、これ…返事書かないといかんのかな…?………無視して良いかな?
「駄目に決まっているじゃろう…」
「駄目に決まっています…」
とは、義祖父さんとシーバス。入ってきていたのは知っていたけど勝手に入ってくるんじゃないよ…。
「それより、貴族として返事はしっかり書くことじゃな。返事を返さん…というのはさすがにな」
「貴族として最低限…と思ってください」
うっ?…分かった分かった、やるよ…。くっ………現代日本のように既読スルーとかはさすがにアカンか…。
しかしこの、王女うんぬん~言ってるのにはどう返したものかね。誤解ですよ…とでも書いておけば良いかな?
「それで納得するかどうかは相手次第じゃな」
うえっ、面倒くせぇ。ソレ、絶対納得しないヤツじゃん。ふむ………なら返事の手紙に攻撃魔法でも仕掛けておいて…クックックッ…。
「さすがにお止めください」
ふんっ!さすがにやらないよシーバス。まあ、ちょっと煽るくらいにしておいて、何かしてきたら返り討ちにするくらいで考えておくとしようか…。
「………我が孫ながら恐ろしいことを考えておるな」
「………我が主ながら恐ろしいですね」
いやいや、多分だけど俺が来る前の義祖父さんたちの方がエグいことしてたでしょっ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます