第222話 そんなこと言ってるから
「憂さ晴らし…ユーリウス様は魔人を叩きのめしていたではありませんか…」
「………アレはアレ、コレはコレ…だ」
シーバスとそんな会話をしつつ、賊を引き連れて移動中。宿屋の前でなんて戦えないしね。賊も賊で俺たちが移動を始めると姿を隠しつつ着いてきてくれたので、その辺りは面倒がなくて良かった。
そして壁外へ出て、
…って、何か増えてない?宿屋にいたときは十人くらいだったと思うんだけど…。
「………五十人くらいいますね」
…いるね、そのくらい。凄くガラの悪そうなのとか暗殺者然とした奴らが。
「やはり闇ギルド関連の連中でしょうね」
…だろうな。何人か手配書かなんかで見たことのある顔も混じってるわ。
「ということは?」
ふっふっふっ…お小遣い稼ぎのお時間だな。
「ですね」
五十人ほどの賊に囲まれているなか…俺とシーバスはニヤリ…と口角を上げる。俺たちの近くにいた奴は、その表情に気が付いたのか『ビクリ』と肩を上げるが………もう遅いよ。
さて…ヤるぞシーバス。狩られるのは自分たちの方だと教えてやれ。
「…お任せを」
そして賊たちは口上を述べる間も無く、俺たちに叩きのめされ、捕縛され、騎士団の詰所に突き出され、俺たちのお小遣いへと成り果てたのである。
明日の王都散策前に良い仕事したな。コレで買い物出来る物も増えるし…。
「良い臨時収入になりました」
しかし…結局何処の闇ギルドの奴らだったんだ?
「
灰蜘蛛?………全然覚えて無ぇ。そんな闇ギルド有ったっけ?
「さあ?結構な数、潰しましたからね…。ちょっと覚えておりませんね」
だよなぁ…。
なぁんて会話を詰所でしていたのだが、どうやらその会話を聞いていた騎士がいたようで…。騎士団ではユーリウス=フォン=ゼハールトとその執事シーバスの趣味は闇ギルド狩り…などと、良くわからない話が出たそうな。
もちろん俺にそんな趣味は無い。
さて臨時収入も入ったし、明日は一日王都をゆっくり回ろう。思ったより報奨金も多かったし、色々買えるしな。
「まあ人数が多かったですからね…」
いや、そういうことじゃないんだけど…。あながち間違いではないが…。
こうして二日連続の登城イベントも終わり、賊の襲撃イベントも片付け、あとは買い物イベントを残すのみとなった。
………えっ?そんなこと言ってるから、また別のフラグが建つんだって?その時はその時の俺が何とかするから良いんです。
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