第154話 "ガワ"の完成①
ハリセンによる強烈なカウンターで引っぱたかれ、盛大にもんどり打った俺はアラド君に確保され、ギルドマスターの部屋にたどり着くことなく『ぺっ』とギルドから放り出されてしまった。
「ちっ、アラド君め。今度会ったら許さんぞアラド君。覚えておけよアラド君」
「君呼び止めてくれないっ!?」
…ちっ、聞こえていたか。
まあ、いい…アイアリーゼさんには会えなかったが別にスライムの情報は入らなくても良かったのだ。
先日までの情報収集でスライム素材じゃなくても出来そうな感じだということが分かったからな。アイアリーゼさんに会うついでに聞ければ…程度だったのだ。
じゃあ早く造れよって話だが、ソレはソレ、コレはコレ、である。
翌日…休日である。休むと日と書いて休日である。………前にも言ったか。
というワケで作業は行わず、全力で休んだ。
そしてさらに翌日…学校へ行き、授業を全て終え、『隠密』を起動させて、さっさと帰宅。絡まれると面倒だからな。
「よし、作業するかっ!」
自室に籠り作業開始。
まずは『無限収納』内で錬金。脱色材と着色材を作成。
そして硬化材。コレは
本来なら、ちゃんとした耐毒、耐石化などの付与された防護服を着たりするなどして、それなりの設備がなければ作成出来ないらしいのだが、無限収納の中で錬金出来る俺には必要ないので気楽なものである。
これで硬化材も完成。
さて、次は…と。
硬くするのは硬化材で補えるから、軽い素材の選定にしようか。スライム素材も使ってはみたかったが無い物はしょうがない。
ん~~~。
木材は腐食しそうだし、金属類は錆そうだ。となると………やっぱり石材か?軽い石を薄く伸ばして形を整えれば、出来そうだ。
使用したのは浮岩と呼ばれる岩石。その名の通り、水にも浮く岩石だ。コレを錬金術で溶かし、伸ばし、成型して、硬化材と合わせればエアコンの"ガワ"のカバー部品の完成だ。
これだけで"ガワ"として使えそうだが、元が岩なので仮に塗装したとしてもムラがでるだろう。というワケでこの上にダイノックシート的な物を作って貼ろうかと思う。
ソレも錬金で着色して、成型して創ろうかと思う。さて…と俺は『無限収納』内を探し始める。
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