第118話 SE・I・ZA
「「「「すみませんでした…」」」」
四人の貴族学生が教室内で土下座している。
もちろん俺にだ。
「(何なんだよアイツ…俺が身体強化してもビクともしなかったぞ…)」
「(そんな…先輩が…)」
「(あっさりとやられるなんて…)」
「(兄貴…アイツはそんなに?)」
土下座しながらコソコソ話してるけどさぁ、全部聞こえてるからな…。
「「はいっ!?」」
「「すいませんしたっ!!」」
…で身体強化云々言ってたけど、全然足りてねえから…。
「えっ!?」
先輩…アンタの身体強化程度じゃあ、俺の素の力に全然足りてないんだよ…。
もっと強くなりたいのなら、レベルアップと魔力の強化、あと身体強化そのものを鍛えるんだな…。
「お…おう」
…でお前ら、アレだろ?初日から俺に絡んできた奴らだろ?
何で絡んできたんだよ?
と話を聞こうと思ったところでタイムアップ。
昼休み終了の五分前の予鈴が鳴り響いた。
ちっ………まあ、いいや。
次、来たら潰すぜ…物理的にも精神的にも…な。
「………うっ!?…わ、わかった」
「「「ひいっ!?わ、わわわ、わかりましたっ!!!」」」
よし!帰ってよしっ!
こうして初日から続いた
しかし………アイツら、結局誰かわからんかったな…。まあ、何処の誰か…なんて興味無いから別にいいか。
「ユーリウス君…それでいいんだ…」
「さすがゼハールトだな…」
とか聞こえてくるが気にしない気にしない。
「でもユーリウス君?」
…なに?
「冒険科って…今日」
「ギルド集合って、他の冒険科の奴から聞いてるんだけど…」
………………な、なんだってぇぇっ!?っていや、そうだった。
くそぅ、アイツら今度見かけたらゴッドデコピンフィンガー三連をお見舞いしてやる!
すまん、ありがとう。
俺は身体強化を最大に、気功での強化もして、最速で走り出す。
うおおおぉぉっ!!
「なるほど………アレが身体強化…」
「あの魔力量も尋常じゃないね」
そんなことを話していたらしいが、それは俺には聞こえていなかった…。
俺は冒険者ギルド内の受付をスルーして奥の訓練場へと到着。
扉を開けた瞬間…
『ゴチンッ』
教官が『瞬動』で接近してきて、俺の頭頂部へ拳骨を落とす。が…
「か…硬えな、お前の頭…俺の拳の方が痛え…」
身体強化中の俺にはまるで効かない。まあ正直なところ見えていたし、避わすのも悪いな…と思い、甘んじて受けたのだが、痛いのはイヤなので身体強化は解かなかっただけだ…。
「お~痛て…」
と言いながら拳をぶんぶんと振る教官。
「三日目で遅刻とはいい度胸だ、…が今は説明中だ。お前も早く来て説明を受けろ」
と言って集団に戻る。
俺は教官の後に続き、集団に合流したのだ…が…
「お前は説明が終わるまで正座な」
………なん…だとっ!?
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