第113話 入学!
中学校入学式も終わり、俺は無事、中学デビューを果たす。
デビュー戦はよく知らん伯爵家の子弟のその手下二名。ちなみに手下も男爵家と騎士爵家の子弟だと知ったのは後のことである。
「お前がゼハールト家の
昇降口、下駄箱前で絡んできたが、邪魔だったし、何か底意地の悪そうな顔をしていたのでワンビンタしておく。…邪魔だったし。
ズシャアァァ…と倒れピクピクしているが、ちゃんと生きているし良いだろう。…邪魔だったし。
「「◯◯さんっ!?…このぉっ」」『パァン、パァン』
と二度ほど、この後に何かを叩く音が昇降口に響いたのだが、俺が何事も無かったかのようにこの場を立ち去ったのは言うまでもない。
ビンタだけで済ましてやったのが慈悲だと思ってくれ…。
余談ではあるが、登校時の「遅刻遅刻-!」イベントは発生していないことを報告しておこう。………ちっ。
この国での中学校は都市ごとで見れば多少の差は有るようだが、基本的には『貴族クラス』『平民クラス』の二種類に分かれている。
午前中はこの二クラスで授業を行い、午後からは選択授業で『貴族科』『騎士科』『魔法科』『冒険科』『商業科』に分かれることになる。
俺はもちろん『冒険科』を選択。
『貴族科』は子弟でも嫡男や次男が多く、非常に面倒くさそうだし、『騎士科』『魔法科』は騎士団、魔法師団を目指す者が多いらしい。騎士団も魔法師団にも興味が無いし、そもそも国に尽くそうなどと思っていない俺には無理である。
『商業科』は悪くはないが、俺にはグラム商会がついているので特に商売とかをする気は無い。
そして『冒険科』。消去法に見えるが、別に仕方なく…というワケでもない。
一度目の転生…勇者の頃も冒険はしていたが、それはほとんどが国の指示からのものだった。野営や採取など手伝ってはいたし、スキルも生えてはいたが、基本的なことや知識などは同行メンバーの冒険者からのものだった。
まあ、強くてニューゲームで絶賛チートな俺なら大抵のことは出来るけど、知識が有るのと無いのとではまったく違うだろう。
そんなワケで『冒険科』を選んだのは一から冒険というものの知識、知恵などを、獲得したいという俺の意思だったりもするワケだ。
ちなみに俺が『冒険科』に入るのは家族に話してあるが、もちろん義祖父さんとは一バトルあったりした。
義祖父さん的には『貴族科』を選ばせたかったようだが、
剣と魔法の世界で寝技なんて、ほとんど無いもんなぁ…。
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