第90話 O・HU・RO・④
脱衣場を作り、洗い場とその勾配もとって、残りは湯船である。
正直、バスタブは別にして設置した方が早いのだが、俺は銭湯タイプの湯船が良いので、その形になるように作っていこうと思う。
洗い場の床から30センチ程度分厚めの手摺?足場?のような壁を作る。コレ正式名称あるのかな?
コレだけだと湯船が浅いので、湯船側の『硬化』を一度解除、深くしてから『硬化』を掛け直す。
深さは手摺?部分から50センチ程度。
俺が腰を下ろして浸かるには深いが大人にはちょうど良い深さだろう。ちなみに手摺?側には段差をつけてあるので、こちらには俺が座っても大丈夫な感じにしてある。
湯船にもタイル調の石板を張って…一先ず内装も完成っと。
出来れば角にコーキングを打ちたいところだが、何かあとで考えよう。
次は最も肝心な給湯システムだ。
「………………」
俺が魔法でお湯を作るのが一番早い………早いが…
「………なんか違う」
魔力を消費して風呂に浸かる、とか…いや、無いわぁ…。魔力を使うにしてもせめて最小限にしないと意味が無い。
ん~…となると…
「………魔導具か…」
しかし、ゼハールト家でも魔導具は最小限しか置いてないし使っていない。アレは馬鹿みたいに魔石を消費するからなぁ…。
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ちなみに魔石とは魔物の体内にある『核』であり『心臓』でもある。冒険者は倒した魔物を解体し、その素材と魔石を売ることでお金を手にしている。
魔導具は魔石から魔力を抜き出すことで起動、使用可能になるワケだ。イコール消耗品なワケで、魔石は常に需要があり、一定以上の価格で買取されている。
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つまり必要なのは…
・お湯を出す魔導具。それもお風呂用なのでそれなりに大容量の物。
・魔導具を起動させる魔石、もしくは魔力。
………うん、無理だな。無いわそんなもん。いや、在っても相当お金が掛かりそうだもの。
しかし…
前に商業区を見た限りでは、そんな魔導具が売っていそうなお店は無かった。いや、探せば在るのかもしれないが…。
在ってもお値段高いだろうしなぁ…。
なら…ちょっと面倒だが…
「創るか…」
幸い俺は『錬金術』スキル持ちだし、『付与魔法』に『魔力精密操作』も持っている。統合進化した『神の指』には『調合』も入っていたはず。
『錬金術』はスキルレベルは低いがやってやれないことはないだろう。
なにより鑑定先生もいるからな。細かい調整は鑑定先生を見ながら出来るというはかなりの強みだ。
風呂場の勾配、のようなイレギュラーなこと以外は頼りになり過ぎる存在である。
こうして俺はお風呂場作りをほぼ終わらせ、魔導具作成へと入る。
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今さらながら『魔石』についての説明。
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