第54話 少~しずつな…。
魔法『浄化』…何故か光属性魔法と聖属性魔法、両方に『浄化』は在ったりするのだが、効果はどちらも似たような感じ…良いのかそれで?
まあ結果としてだが、『今』は生卵内に存在する人体に有害なモノが無くなればOKなワケである。
ざっくりとした結論ではあるが俺も『浄化』の仕組みや詳細なんて実際のところはよく分かってなかったりする。だから「細けえことはいいんだよっ!」ってことで…。
しかし俺の言葉にグラム商会長の反応は芳しくない。
「『浄化』かぁ…」
う~ん、と唸る商会長。
「何か問題が?」
「『浄化』は神父とか神官とか教会の奴らしか使えねえんだよなぁ…。お布施を出せばやってはくれるが…」
なるほど、そうなると仕入れ値にプラス…販売価格も高くなってしまうか。
しかし『浄化』が使えない?俺は仕組みがよく分かってなくても使えるぞ?
「とりあえずは俺が使えるんで問題ありません」
「えっ!?」みたいな顔を商会長と付き添いのシーバスにされるが…それはそうか。使えないって言ってるそばから「あ、俺使えます」っておかしいもんなぁ。
「使えるもんは使えるんで、一先ずはこの材料を使って目的の物を作りましょう。シーバス、手伝ってくれ」
「お…おう」と目を丸くしたままグラム商会長は了承。シーバスも腑に落ちないだろうが俺に従う。
「グラム商会長、店舗に厨房ってあります?」
「あ、ああ。従業員の休憩室に小さいがあるぞ」
「では、そちらに移動しましょう」
このまま勢いで押し切ろう。
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…というワケで休憩室に移動してきました。…って商会長室の二つ隣の部屋だったんだけれど。まあいい…。
では材料を準備してもらって早速始めようか!まずは…
「卵に…『浄化っ!』と…」
ぺかーっと一瞬だが、休憩室内を優しい光が満たした。一応、『鑑定』で卵を確認…大丈夫そうだ。
「よし、大丈夫そうだ。…で生卵を卵黄と白身に別けます。混ぜやすい器に卵黄と塩適量、柑橘系の果汁適量を入れて…」
ちなみに分量は鑑定先生任せであることは言うまでもない。
「オリーブオイルを少しずつ足しながらとろみがつくまで混ぜます。…シーバスよろしく」
過酷な混ぜ作業はシーバスに全振りである。…というか手が小さいから器具が上手く使えないんだよなぁ。決して面倒だからではない。…ホント。
「シーバス、油は少~しずつな、少~しずつ…」
ちゃんと目を離さないようにはしているからセーフでしょ!…と自分自身で納得しておく。
「本当にこれで万能調味料が出来んのか?」と簡単な手順なため、グラム商会長は心配そうに見ているが…まあ、見ているといい…そして味わうがいいっ!
マヨの力をなあっ!!
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