第23話 『1』!
『天使化』した俺の戦闘力は実は何も変わっていない。
何故なら『三歳児が戦闘しても天使なら平気じゃね?』というビジュアルを優先させただけのモノであるからである。
強いて言えば、光っていて眩しいとか、試してはいないが落下時にちょっと抵抗があるくらいではなかろうか…知らんけど。
まあ、これはあくまでも『天使化』について…ということだけで、実際の俺の戦闘力に関してだが…。
今現在の時点で戦闘の経験は皆無である。
当然といえば当然…三歳児である。戦闘の経験が在る方がおかしい。…というワケで俺のレベルは絶賛『1』である。
一方で前世の記憶がある俺は、幼児でも可能な魔法系の訓練を欠かさず行ってきた。
その甲斐もあり魔法系能力だけならば前世に迫るか、すでに越えているのではなかろうか。
さらに制限されていた能力も三歳になったことで緩和されていた。
能力値を見る限りでは前世で死んだ時の二割程度の値がプラスされていた。
恐らく十五歳で全ての能力値が解放されるのではないか、と予想。
予想はまあ良いとして、能力値がプラスされたことで紙装甲ではなくなったものの、レベルは『1』である。
しかし鍛え上げた魔法系能力を駆使し、かつ同時に鍛えた気功術のお蔭で身体能力一つとっても大幅にパワーアップしているのだ。
三歳児とはいえ負ける要素は無い!………と思う。
しかし、このシーバスという男…。本当に表情をくずさない。
いや、分かるよ?天使の翼を生やそうが翼が光ろうが所詮見た目は三歳児のままだし…。
魔力感知が出来なければ相手の魔力量とかもわからないし…。
俺から見ても、天使のコスプレした三歳児が『チョイーン』と仁王立ちしているだけだもの。
まあ実際のところはスキル『隠密』の効果もあって、力を測れない…とかだと思うのだが…。
でも微塵も…動揺の『ど』の字も見せないんだよなぁ。
果たして、それほどの実力者なのか、それとも…。
『鑑定』は阻害されているのか何なのか…看ることが出来なかった。
『隠蔽』のスキル持ちか『魔導具』的なアイテムでも持っているのだろう。
ということは…だ。
『鑑定』を警戒している辺り、戦闘に関しての備えをしている、と思われる。
ならば、やはりそれなりに『出来る』…と考えて臨んだ方が良さそうだ。
どちらにしても『力ずく』云々言うのなら、こちらも『力ずく』だ。
俺の後ろにはセイ兄と新たな四人の兄姉がいるからな、巻き込まないように注意しないといけないが…。
俺は静かに…だが力強く、魔力と気を体内で循環し始める。
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