第8話 練習!

ステータスの確認をしてから数日が経過した。確認をしたからなのか、スキルが『有効化アクティベート』されて、いろいろと出来るようにはなっていた。

といっても赤ん坊の身体である。動くどころか未だに寝返りも出来ないのだが。


というワケで、今出来ることと言えば魔法の訓練…というより練習。

ギリギリ自由に動かせる手を前(上)に突き出し、手のひらに魔法を浮かせて維持。コレを魔力が枯渇するまで行うことで魔力量が増えるのだ。

ついでに属性魔法を使うことで、その属性の経験値も入るのだが俺は『全属性魔法』になっているので経験値がどう入るのかよく分かりません。

無駄ってことはないと思うけど…。


ちなみに魔力が枯渇すると気絶してしまうのだが、赤ん坊のうちの今なら寝ていると見られるので特に問題はない。

火魔法は危ないので主に水魔法での練習をしているのだが、気絶時に水魔法が出ていると手のひらの上で浮かせていた水が『バシャリ』と落ちてくるのは言うまでもない。


気絶から回復時に生活魔法『温風ドライヤー』で乾かすのだが、一度濡れたままの姿をメイさんに見られ…


「あら~、坊っちゃん、涎の量が~」


と言われた時には「涎じゃねえっ!」とツッコミたかったのは余談である。


メイさんの残念なところを見てからさらに数日、練習を続けた俺の『全属性魔法レベル1』は『全属性魔法レベル2』になった。

全ての属性魔法を練習しているワケではないのだが経験値の分配はどうなっているのだろうか?まあ強くはなっているのだから良しとしておこう。


『身体強化』魔法もレベルが上がったのだが、『身体強化』をしても寝返りは出来なかった。赤ん坊の身体…不便である。

同じく『五感強化』も練習。強化はされているようなのだが、全然実感が無い…と言うのが正直なところか…。赤ん坊の身体…不便である。


『並列思考』『並列起動』で魔法の同時発動も練習。二つのスキルはレベルこそ表示されていないが、内部レベルが存在しているのか繰り返すうちに同時発動出来る数が増えた。

今は三つの魔法を同時発動可能である。


練習を繰り返し、魔力枯渇による気絶を繰り返し、スキルによる成長率の補正もあり魔力と共に魔力量も増えた。これを続けていけば、レベルが1のままでもかなり強くなっているのではなかろうか。


とりあえずハイハイが出来るようになるまでは、このまま魔法関係を鍛えよう。

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