第6話 ヒザウエ【ASMR】/森島先輩による恐怖のお仕置きが!

○主人公の家・自室(夜)


はるか

「でも、お仕置きって言われてもどうすればいいのかしら……。」

「キミ、ずっと正座しっぱなしで、もうお仕置きされてるみたいなものじゃない?」

「私もずっと立ってて疲れちゃったし……。」


「勉強机の椅子、使っていいかしら? ベッドにも座っていいの?」


   #はるか、ここで何かを思いつく。


はるか

「あっ♪ それなら、お仕置きも兼ねて座らせてもらおうかしら。」

「どこにって? うふふ……それはね、キミの膝の上よ♪」


   #はるか、正座した主人公の太ももに座る。

   #顔の近くに、はるかの後頭部が迫る。


はるか

「程よい硬さでいい感じ。さすが 、噂通りの高級品ね♪」

「誰が噂してたか……? それは……美也ちゃんとか……?」

「と、とにかく、キミにはしばらく私専用の椅子になってもらうから。」


「高級な椅子らしく、いろんな機能を再現してみせること!」

「ふふっ、これはなかなかお仕置きっぽいんじゃない?」

「それじゃ、まずはリクライニング機能を試してみようかしら。」


「はい、上半身を傾けて~。」


   #主人公、上半身を後ろに反らし、角度のついたリクライニングシートの真似をする。


はるか

「すごいすごい! なら次は、シートヒーターをお願いするわ!」

「背中を擦ったりすれば 摩擦で暖かくなるかも!」


   #主人公、はるかの背中をこすり始める。

   #はるか、くすぐったくなってしまう。


はるか

「あはっ……ひゃう……!?」

「あうっ……あはっ……あははっ……!」

「ちょ、ちょっとストップ! これ以上はダメ!」


「はぁ……はぁ……確かに身体は暖まったけど」

「ヒーターって感じじゃないわね……!」

「でも、ちゃんと再現しようとしたキミのガッツはスゴいと思う。」


「この椅子はやっぱり最高級品みたいね。」

「次は美也ちゃん椅子にも座って確かめてみたいわ♪」

「《そんなことしたら美也ちゃんが引っ掻く》?」


「わお! 孫の手ならぬ猫の手で背中をかいてくれるのね!」

「あっ! っていうか、椅子はしゃべっちゃダメでしょー!」


   #はるか、頬を膨らませて主人公の太ももをペチッと軽く叩く。

   #長時間の正座で足が痺れてキツくなってきた主人公、ビクリと身体を震わせる。


はるか

「あら? 最近の椅子って、なんだか切なそうな顔するのね。」

「もしかして、足が痺れて正座が限界だったりする?」

「でもなぁ……そんなキュートな表情が見られるなら。」


「まだまだお仕置き続けたくなっちゃう……♪」


   #主人公、このままではマズイと判断し反撃に出る。

   #主人公、はるかの横顔をじっと見つめ続ける。


はるか

「ん~……! もう! そんなに熱い視線を送られたら困っちゃうわ。」

「なにか言いたいことがあるんなら、特別にしゃべっていいわよ。」

「え……? 《この椅子は、音声入力でベッドに変形する》!?」


「すごいじゃない! なんだかお兄ちゃんが好きなロボットアニメみたいね!」

「さっそく試してみてもいい? いくわよ!」


   #はるか、ロボアニメっぽく変形コマンドを叫び、ノリノリで変形音までモノマネする。


はるか

「チェンジ! ベッドフォース! ギゴガゴゴ!」


   #主人公、はるかを身体に乗せたまま寝転がり、ようやく足を伸ばしてベッドのように振る舞う。

   #寝転がったことで、はるかの顔がより主人公の顔に近づいてくる。


はるか

「わお! 素敵なフィット感のベッドに変形したわ!」

「ねぇねぇ、まだ他にも機能が隠されているのかしら?」


   #主人公、ドギマギして黙ってしまう。


はるか

「ふふーん、《隠しコマンドは自分で見つけろ》ってことね!」

「私が全部見つけちゃうんだから!」

「きっとどこかに、ドッグフォースに変形するスイッチが……!」


「お腹かしら? それとも鎖骨のあたりとか?」

「それとも~……」


   #はるか、主人公の上に寝転んだまま、主人公の身体のあちこちをまさぐる。

   #主人公、くすぐったさとはるかの可愛さに耐えきれなくなり、はるかを思わず抱きしめる。


はるか

「きゃっ!? 抱きつくボタンなんて押してないわよ?」

「ドッグじゃなくて、コアラフォースに変形させちゃった?」

「もう、困ったベッドさんね。」


   #はるか、もぞもぞと困ったように動く。

   #主人公、それでも抱きしめ続ける。


はるか

「……あの……ベッドさん? そろそろ離してもいいんじゃない?

「お仕置きも、もう終わりでいいから……ね?」


   #はるか、主人公の大胆な行動にドキドキがピークを迎える。


はるか

「……私、もう限界……!」

「これ以上、強く抱きしめられたら……!」


   #主人公、クリスマスイブにデートしてほしいと誘う。


はるか

「《だったら、クリスマスイブにデートしてほしい》……?」

「……そんな不安そうな顔しなくてもいいのよ。」

「私の答えはもちろん……オーキードーキー♪」


   #主人公、ホッとしてはるかを離す。


はるか

「ふぅ~……キミったら、情熱的な誘い方してくるのね……。」

「シートヒートを使ったときより、熱くなっちゃった気がするわ。」

「なんだかぼんやりしてきちゃった……」


   #はるか、はしゃいだ疲れとホッとした安心感で、眠くなってくる。


はるか

「それにしても……ふふふ……おかしいなぁ……。」

「キミにお仕置きしてたはずなのに……。」

「いつの間にか……イブの予定……埋まっちゃった……。」


「……特別なデートに……して……くれるんでしょ……?」

「……私……楽しみにしてる……。」

「すー……すー……」



《第7話へ続く》


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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.2 森島はるか編』(CV・伊藤静、CV・浅川悠、CV・佐藤利奈)

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