ラーニングバトル
モルン
第1話 結末
『
『すまない!後ろは任せたぞ!
固水と呼ばれた男性は、足元に水たまりを発生させ、スケートのように体勢を低めて滑るように疾走する。
水しぶきが上がり、男性は凄まじいスピードで駆けていく。
目で追えないほどに。
『逃がすわけ…なっ!?』
『はっ!お留守だぜ~?クソヤロウ!』
念道と呼ばれた男性は、ウインクしながら右手の人差し指を少し下に曲げると言い放つ。
『う、ごけない…??』
『当たり前だわ!俺の異能知らんのかね~?』
人差し指を下に曲げたまま、男性は次に弾くように上に位置を戻す。
すると。
『っっっ!!』
急に動けなくなったもう一人の男性は、何も無い空間からトラックにぶつかったように吹き飛ばされ、6メートルほど後ろに転がった。
『ぐはっっ!いっっづ!』
『ざまーねぇぜ!ほらよ!!』
吹き飛ばされた男性に対して、再度念道という男性は人差し指を向けると、今度は男性は上空8メートルほどまで一瞬で浮き上がる。
『やめっ!』
『るわけねーーだろうが!』
念道という男性は今度は人差し指から、五本すべての指を上に向け、一気に下に下げた。
すると、上空にいた男性は先ほど…いや、それ以上のスピードで地面に向かい、叩きつけられた。
無残にも元の体の原形は無い。
『うし。これで厄介なのが消えたな』
念道という男性がぼやくと、耳元のイヤホンから無線特有のザザッと音が鳴る。
『こちら
『お、みっちゃん流石!鷹の目!俺の勇姿見てたよね!?』
『…念道さんも直進ルートでポイントBに向かってください。私はお二人のルート突入確認次第で、狙撃位置に向かいます』
『なーなー!見てたよな!な!?』
ブツっと無線が切れる。
『ったく、つれねーなー。へいへい、俺も仕事しねーとなー』
男性は口笛を吹きながら、スマートフォンを取り出しマップを確認すると走り出した。
☆
『全く。念道さんはこれだから』
若い女性はビルの屋上から裸眼で下を見下ろしながらぼやいてた。
『まぁまぁ。
『
『軽口叩く人うちらにいないでしょ?ムードメーカーもたまには役に立つのよ』
環と呼ばれた妙齢の女性は、視知世という若い女性の肩をぽんぽんと優しく叩くとなだめる。
『…一理ありますね。明華さんの明るさにも私は救われてますし』
『視知世ちゃん男の子苦手だもんねぇ…明華ちゃん二号だと思ってあげて』
『善処します』
二人が周りを監視しながら話していると、無線が鳴る。
『みっちゃん!
『ポイントA付近にイレギュラー?明華さんで手こずるなら…分かりました。作戦変更します』
『視知世ちゃん、行きましょう!私達でサポート!』
『えぇ!』
二人の女性はビルの非常階段から下に行き、走り始める。
『明華ちゃんのいる方向は
『そうです。固水さんのバックアップとして明華さんを選んだのは、彼女の格闘能力が故です。固水さんも格闘はお強いですが、特化型は苦手なはずなので』
『よく分かってるね!憧れの先輩だもんね!』
『…!か、関係ないです!部隊メンバーの特徴と戦力バランスを…』
『視知世ちゃん、前方42mに4人銃器こすれ音。持ち手確認、重量音の推測で恐らく全てSR。反響具合から、建物内ね。北西55mから4人武装、AR統一でしょうね。東方向38mには車両2台、どっちも装甲車。60m後ろからは15人の部隊編成かな?来てるわ。武装はごめん、聞き分け難しい』
『流石です。それだけ分かれば十分です。私の異能節約本当に助かります』
『いいのよ。私は代償反応ないし。視知世ちゃんはなるべく温存して。私がいつも通り音響把握と位置特定するから、指定位置に狙撃頼むわ』
『かしこまりました』
二人は慣れたように頷くと、視知世という女性は背負っていたスナイパーライフルを両手で持つ。
『狙撃1発でジグザグに動きましょう。特定されてもこの距離なら、SRでないと反撃は無いはず。撃ちながらポイントAへ移動しましょう』
『操気くんにここらの敵を連れてプレゼントしちゃう?』
『連れて行くのはあちらではなく、あの世ですよ』
『あら怖い』
軽口を言う二人は、移動しながら銃を撃ち始めていった。
☆
『あー、面倒いなぁもう!』
茶髪の若い女性は地団駄をしながら、全身を震わせていた。
『ったく!あたしはポイントA?だっけ。そこに行って操気のサポートせねばいかんの!』
女性は苛つきながら、前方から湧き出る武装した男女を指差す。
『後悔しても知らねーぞい!』
パチンと指を鳴らすと、その場なら炎が発生し瞬く間に火の海が出来上がった。
もちろん、そこにいた部隊編成していたと思われる者共は火だるまになって苦し悶えている。
『楽に死なねーからな~!』
チラリと横目で流し見ると、女性は再び走り出す。
『みっちゃんと美々音さんはよ来ておくれ~!あたしそろそろあっっつくてファイヤーできなくなっちゃう…』
既に女性は着ていた上着とズボンを無くしており、上は辛うじてタンクトップであるが、下は下着状態…つまりパンツだけになっていた。
『くそ~!また真っ裸になって操気に引かれて、力也にはガン見されて使えるとか言われるわ!もう!もーーう!』
平均的な女性よりも大きな胸を持つその女性は暑さを忘れるためにか、叫んでいた。
世間的には真冬に近い気温にも関わらず。
『よう。セクハラ女』
『うん?なんだあなた?』
『けっ!知らねーのかよ!これでもかぁ!』
男は叫ぶなり、右手を女性に向けると火炎を放出してきた。
『っと!』
同じく女性は右手を向けると、火炎を放出する。
『同じかよ!ツイてねーなー!』
『こっちのセリフだよ!』
拮抗する火炎だが、徐々に女性が押され始める。
『だが!俺は異能力万全!お前は手負い!これはもう勝ち確!』
『ぐっ…あたし異能力自信ないのに…!』
女性は消費してきた異能力を振り絞りながらも、自身の限界に気づいていた。
『(このままじゃ、脱水して血液沸騰しかける…まずいな…ぴえん)』
『泣きそうかぁ!止めてもいいんだぞぉ!お前のそのだらしねぇ体を滅茶苦茶にしていいならなぁ!デカいもん持ってるし!』
『うっさい!好きでデカいわけじゃないやい!みっちゃんみたいに絶壁ぺったんの方が可愛いし、走るとき楽だよ絶対!服もほんとあの子似合うし!浴衣マジ可愛いから!女のあたしでも惚れそうなくらい!』
『あぁ!?誰だよみっちゃん!しらねーよ!それに絶壁はまぁ…俺個人としてはどっちでも良い派だが…って何の話だこら!』
男がさらに火力を上げようとしたとき、悪寒が走る。
『(なんだ…?これは…?)』
男が不振に思った時には遅かった。
飛来した鉛玉は男の眉間を貫き、後方の瓦礫に着弾し貫通していた。
バタリと倒れた男は既に絶命していた。
『ひぃ…終わった…あづい…脱ぎたい…』
女性はタンクトップの中に風を入れるためにパタパタと服をめくっては戻してを繰り返す。
上の見えてはいけない布を晒しながらも。
そうこうしていると、すぐに無線が鳴る。
『遅くなって申し訳ないです。明華さん。3位を狩ることができました』
『みっちゃん!ありがとーー!もう無理だったよ…まぁ最悪突っ込んで殴れば良かったけど』
『火傷耐性あるかもしれませんが、危ないので却下です。想定外でしたが、トップ5の一人を潰せたのは大きいです。私と美々音さんはこの後、念道さんのところのポイントBへ向かいます』
『おけー!あたしは予定通り操気のとこ行けばええのよね?』
『はい。道中は体を冷ましながら行ってくださいね。
『分かってるよぉ…普通こういうときは体あっためてーーって言うと思うけどね』
『ふふ…明華さんはいつでもあっためできるじゃないですか』
『えへへ…まぁね、言ってみただけ~』
『ほらほら、百合百合しないの。男どもがまたうるさくなるわよ』
『はーい』『はい』
三人の女性は一通り作戦内容を再確認し、修正して動き出した。
☆
『ほいっと!』
『くっ!』
念道と呼ばれた男性は、ニヤニヤとしながら周辺の瓦礫という瓦礫を『操作』して高速で女性に投げつけていた。
『なん、だ!この異能!』
『へへへ!何だろうね!岩の操作?コンクリート生成?はたまた転移?ギャハハ!』
『くそ!何故、ウチの拳でも簡単に行かないんだ!』
そう、女は拳に絶対の自信があった。
全身の筋力と耐性力が異能というものによって強化されている。
銃弾を受けてもかすり傷程度に済ませるくらいの耐性があり、瓦礫程度弾き飛ばして当然であったのだが。
この男の飛ばす物については、何故か拮抗してしまう。
『何でだろうねぇ?まぁ、俺と君では頭と実力が違うわけよ~?分かるか?異能は上手く使わないと行けない。君は確かに頑丈なようだが、それだけだ。へへ、俺ってば天才だからよぉ?君みたいな脳筋だとやりやすいんだわ!』
『くそ!言いたい放題しやがって!』
女はさらにムキになり、飛んでくる瓦礫を拳で破壊し、蹴りで弾き飛ばす。
ただ、壊した瓦礫は防ぐ度に小さくなり、再三飛んでくる。
壊しては増えて戻ってくるため、終わりが無いように見える。
『(まっ、俺も手はねーんだがな。瓦礫を全部こいつに粉砕されたら手札無くなるし。こいつに力をかけても、恐らくごり押しで解かれる。異能の無駄消費は避けてーが…)』
ニヤニヤと薄ら笑いと煽りをしつつ、念道という男性は思考をクリアにしていた。
『おいおい!ねーちゃん!これじゃ勝負になんねーぞ!こっちは永遠とボール遊びできるしよ!そろそろ諦めたらどうだ!?』
『くっ…』
女は苦悶の表情で一考する。
『(確かにこの男の力は相当だ。ウチの身体強化で殴っても簡単には瓦礫を破壊できない。何かを操作する力だとしたら、半永久的に物をぶつけられる。ウチも異能力はそこまで残ってないし、一旦引くか)』
『仕方ない!ここは一旦お預けだ!』
『やっと降参かぁ?!』
『違う!また戻る!それまで待ってろ!』
『へいへーい』
女は念道という男性を睨むと膝に力を入れ、バッタのようにピョンピョンと東方向へ飛んで行った。
『ふーー…あぶねぇあぶねぇ…こういう系は明華の方が良いだろうに』
男は額の汗を拭って、瓦礫に背を預ける。
手が震え、無線機を落としそうになるのを必死にこらえる。
『こちら念道。聞こえるか、後方組。ポイントB暫定制圧完了。4位は逃走。逃走ルートは東になるが、問題ないだろう。ポイントAとは逆だ』
『こちら遠所です。念道さん、お疲れ様です。逃走ルートありがとうございます。美々音さんが捕捉し、私でマークしました。近隣の経路で休息できる箇所は限られてますので』
『どさくさ紛れのペイント弾かい。流石だな、視知世』
『いえ、それが私の仕事ですので…あぁ、そうそう。軽口無いときの方がホウレソウが円滑ですので、常に代償反応あれば良いですね』
『ったく、生意気な後輩に育ったもんだ。こちとら連戦で余裕無くなってきてんの。察してくれ』
『…えぇ、存じてます。本当にお疲れ様でした。ですが、いざとなれば、私も前線に出ます』
『それは切り札として取っておく。俺みたいになるべく敵さんには初見殺し押し付けたいからな。あくまでお前と美々音のネーサンは後方支援しかできないと思い込ませる』
『部隊のリーダーは貴方ですからね。従います』
『おうよ。固水に本当はリーダーやってもらいたいんだが…あいつは一匹狼みたいなところあるし、まとめるの苦手だろうしな』
『ふふ。違いないです』
念道という男性は、少し息を整えると咳払いをする。
『よし、後は大詰めだ。ポイントAに固水を狙う奴がいれば排除する。明華は先行しているだろうが…まぁ、あいつなら問題ない』
『えぇ、露払いは私達で完了しましょう』
『行くぞ!』
『はい!』
☆
『固水さん!どうですか!?私の異能は!?』
『…』
固水という男性は、自身の作成した水たまりの制御を奪われたまま静止していた。
『貴方の異能はリークしています!水を操るそうですが、それは私も同じ!貴方と違い、私は制御に特化しています!操作に特化している貴方では相性が悪いですよ!』
『確かに俺は制御に関しては自信は無いな。元々凡人が故に』
『??』
『君の制御力は確かに賞賛できる。現に俺は水を操作しようとしているが、ほぼ受け付けない。白状すれば異能力では君に劣るな』
『そうでしょう!そうでしょう!どれだけ私に才能があると思いますか!トップガードの貴方ですら…』
『とはいえ、油断はしない方が良い。こうなる』
固水という男性は、足下の水を急に気化させる。
先ほどまで拘束具としていたものが消える。
『へっ…』
呆気に取られる女は動作が遅れる。
『リークは真実だけではないようだな』
固水という男性が左腕を振るうと、女の体が徐々に凍り始める。
『なっ…ぜ…?凍結、反応…?』
『水は液体から変化するだろう。それをしただけだ』
『まさか…貴方の異能は…』
固水という男性は答えずに、今度は足下を凍らせて、疾走しようとする。
『待って!!』
『?』
チラリと横目で見ると、女は何やらトロンとした目で見返してくる。
『私…アナタになら殺されたい…』
『そうか。そのままなら凍り付いて死ぬな』
『違うの!直接殺されたいです…こんなに私のことを下してくれたのはアナタが初めて…向き合ってくれたのはアナタが初めてなの…』
『あ、あぁ…そうなのか』
固水という男性は、無表情であったがほんの少し困ったように眉をひそめる。
『どうしたら直接殺してくれますか!?私、何でもします!』
『君みたいな綺麗な女性が何でもというのは良くない。無理難題押し付けられるぞ』
『へっ…き、綺麗ですか…』
急に真っ赤になり、俯く女はモジモジとし始めた。
どんどんと体は凍り、呼吸すらしにくい状態だが。
『うむ…どうしたものか』
『えっと…あの、嬉しいです…私、ずっと周りから水女って言われてて…異能が強すぎて怖いってされてて…あの、ほんと、えっと…好き…』
『…』
固水という男性は、困り果てた結果。
『すまん。こちら固水。遠所、聞こえるか』
『こちら遠所です。聞こえます。ポイントA付近到着のようですね。何かありましたか?』
『5位を即座に無力化したが…』
『流石です…えっと、それにしては煮え切らないですね』
『その女に好かれたようでな』
『!?えっ、えっ、えーっとえとえと』
『??どうした遠所』
『はっ、えっと…』
無線機で慌てる後輩にさらに困る固水という男性は返事を待つ。
『代わったわ。こちら環。つまりあれね、吊り橋効果的なやつね』
『環さん。遠所は…まぁ、いいです。吊り橋かは知りませんが、このまま放置では死亡確定ですね』
『操気くんはどうしたいの』
『…敵意が無い者を殺す趣味は無いです』
『ん、なら溶かしてあげて。本当ならそのまま始末するべきだろうけど。指揮権は力也君と君だしね。年長の私がつべこべ言うつもりはないわ。それに不審なところあればね?』
『えぇ、環さんの耳と遠所の目で監視してるとは思うのでいつでもどうぞ』
『分かってるじゃない。じゃ、その子は私らで保護するわ。操気君は作戦通り、新入り君と二人で親玉を』
『はい。あいつは俺一人で来ることを条件にしてましたから』
『何なのよ、そのタイマンじゃないと世界滅ぼすとか』
『狂人の思考は分かりたくないです』
『そうね』
会話を終えると、男は呼び出しの地点へ向かった
☆
『来たか。ガードトップの
『…来たくはないがな』
固水と呼ばれた男性は、相手の男性を睨みつけながらも返事をする。
『ふっ…まぁいい。僕も強い奴とはやり合いたいところではある。かかってこい』
『…』
片方の男性は白衣のようなものを着ており、丸腰のように見える。
一見すると、細身であるが。
固水と呼ばれた男性は、全身を少し力ませると両腕を交差させる。
すると、虚空から突如として氷の剣のようなものが二本発生した。
瞬きをする間もなく、白衣の男性に接近するとその首を二本の剣で斬り裂いた。
斬ったことを何も思わないのか、その場から固水と呼ばれた男性は、足場に水たまりを発生させ、超高速でバックステップをする。
動いたと同時に、左腕を突き出すと眼前に突如水蒸気に似た真っ白な霧のようなものが発生した。
『効かないようだな』
『あぁ、そうだとも、残念。でも君の異能は素晴らしいよ。威力、精度、速度について申し分ない。僕でなきゃ即死だ』
『…』
『ただ、僕にはね。ご存じの通り、これがある』
白衣の男性は、ニコりと笑うと右手の手のひらのセミの死骸を見せつけてくる。
瞬きをすると、セミは生き返ったのか羽ばたいていく。
『固水。君は僕に勝てない。この世界にいる以上、時の流れには逆らえない。強いよ?この時間操作は』
『そうだな』
『ちっ…君のそういう小馬鹿にしたような態度が気に入らないんだよ』
白衣の男性は微笑んでいたのを止めると、今度は嘲りの表情になる。
『まぁ別にいいさ。どうせ君はここで死ぬし。時間操作で君の時の流れだけ早くして寿命まで進めてあげよう。そうだな、残り10秒で死ぬ。それくらいの老人になるまでね』
ケタケタと不気味に笑うと、白衣の男性は続ける。
『じゃ、そういうことで…』
『させるか!!』
白衣の男性の後ろから現れた中肉中背の若い男性は、叫びながら羽交い締めにした。
『どこから!?』
『認識阻害、気配遮断、瞬足、異能抵抗…その他諸々でお前に接近したんだよ!』
『ありえない!この僕が!』
『黙ってお縄につけや!!』
『…なんてね』
『っ!新入り!避けろ!』
若い男性は固水と呼ばれた男性が、焦りの表情になるのを見ていた。
それに、白衣の男の隣に時計の針がぐるぐると回っていたことにも気付いた。
あぁ、これじゃ駄目だ。
もっと学んで、こいつの異能自体を…受けない、よう…に…
若い男性は意識朦朧とする中、自身に植え付けるように強く思う。
今度こそ、やり直しはさせない。
絶対に思い出せ。
抵抗程度で満足するな。
無効化が鍵だ。
☆
異能力。日本で発現したファンタジーのような力。
まるで漫画やアニメのような話だけど、実際に起きた。
これが何なのか全く分からないけども。
暮らしの役立つものなら大歓迎…とまでいかないけど、人々に浸透するのに50年以上かかったとか。
俺が生まれる前から、当たり前としての物である異能力。
当然ながら、俺もその異能を生まれ持った男だ。
高校卒業から、持ち前の異能を使って要領よくバイトをしながら生活してきたフリーターだ。
どうにも記憶がおかしいときがあるけど、生活には困らないしいいかなって。
この春から、民間からも異能力犯罪防止組織のガードっていう組織に移れるらしいと聞きまして。
俺も是非、定職に就くためにさ。就活!しようかなって。
これから、俺の社会人生活が始まる!
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