②無表情な天使と同棲したら、俺にだけ笑ってくれるようになった話

時雨

プロット

〇参考作品:幸色のワンルーム(共依存の雰囲気)

コンビニ強盗から助けた地味店員が、同じクラスのうぶで可愛いギャルだった

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(物語構成)


〇世界観:現代日本

主人公たちが暮らしているのはそこそこ都会。電車で二駅行けば、かなり大きなショッピングモールがある感じ。

物語開始時点では冬になる前

11月上旬くらい


〇主要キャラクター:


主人公(葉月野 晴はづきの はる):物語開始時点高校一年生16歳

容姿は悪くない。普通の男子高校生。

黒髪。身長は高い方。体型も普通。

清潔感はある程度に身なりを気づかう。

幼い頃に両親が離婚し、父親に引き取られて育てられた。

父親は海外に出張しているため、現在は1人暮らししている。

家の金銭的余裕はかなりある。主人公とヒロインは2LDKのマンションに1人暮らしすることになったほど。

中学時代に付き合っていた彼女がいじめに遭い、精神的に崩れた彼女を支えきれなかった過去がある。元カノは精神を病んで転校してしまい、それっきり。なし崩し的に別れてしまったことと、救えなかったことを後悔している。

次に身の回りで元カノと同じような状況になっている人がいたら、できるだけ助けたいと思っている。

また、自分と彼女の家族以外に彼女を救おうとした人がいなかったため、じゃっかん人間不信に陥っている節がある。

友達はそんなに多くない。普段学校で一緒にいるのは1人だけ。



セリフイメージ

「俺はできるだけ桜羽さんと仲良くなりたいと思ってる」

「もし生きる理由が見つけられないなら、俺のために生きてよ……って言ったことが。1回だけ」

「さやか、ありがとう。俺はさやかがいてくれて嬉しいよ」


ヒロイン(桜羽さくらばさやか):高校一年生15歳

本来はよく笑う明るい女の子だった。親戚の家を回っているうちに無表情になる。髪や肌が綺麗で、透明感がある美少女。スレンダーだが、胸はしっかりある。

身長は156cmくらい。

主人公の遠い親戚。

幼い頃に両親が亡くなってから親戚中をたらい回しにされ、主人公の家にやってきた。

親戚の家でひどい目に遭い、それがトラウマになっている。

母親は優しかったので、その時の思い出が宝物。

家事は、親戚の家でしていたので割とできる。

全て自分でやらされていたので、周りに期待しないようになった。

失敗したときの慌てぶりが異常。

本人に自覚はないが、母親のぬくもりを無意識に求めているところがあり、依存しがちである。

好きになった人には、絶対に嫌われたくなくて、貢いでしまうところがある。


セリフイメージ

「私のこと、本気で好きになってくれる人なんているわけない」

「本当はいい子なんかじゃないよ、私。それでも一緒にいてくれるの?」

「お願い……私を、捨てないで」


元カノ(椿つばきくるみ):高校一年生16歳

ツインテールの似合う美少女。

中学生のころ、主人公と付き合っていた。

いじめに遭い、精神的に不安定になる。

主人公と共依存関係にあったが、引っ越すことになり、別れることを決意したが、現在ではその選択を後悔している。

主人公に再び会いたいと思っているし、主人公とまた付き合いたいと思っている。

引っ越しをしたから主人公のことを全く忘れたことはない。

しばらく休息し、転校してから精神的には安定した、はず……

引っ越し先の中学がさやかと同じで、仲良くなった。

さやかの家庭環境を知っていて、今度の家では幸せになってほしいと願っているいい子。


セリフイメージ

「あのときは本当にごめんなさい。でもまた一緒になりたいと思っているのはほんとなの」

「あたしがいるよ? いつでも晴を支えられるから」

「あたしはね、晴のこと何でも知ってるの。だから安心してね」


主人公の親友(吉田 翔よしだ しょう):高校1年生16歳

高校に上がってからの友達。

主人公の過去は何も知らない。

気さくな性格で、顔が広い。

主人公とさやかの関係を、危ないと思っている。


セリフイメージ

「ちょっ、あの美少女誰!?」

「マジで恋人ほしい~」

「これはマジな話なんだけどさ、晴、お前あんまりさやかちゃんに入りこみすぎない方がいいよ」


主人公の父親(葉月野 幸助はづきの こうすけ)

親戚中でたらい回しになっているさやかのことが可哀そうになって、家に呼ぶことにした。

主人公の過去のこともあるし、信頼しているので、主人公が1人暮らしじゃなくなって逆に安心しているところがある。

おおらかで優しいよき父であり、主人公のことを支えてきた。

現在は海外出張している。



〇物語構成

第三章が第一プロットポイント。

第五章がミッドポイント

第七章が第二プロットポイント

で、三幕構成になっています

一章で約三千字から二万字

で、十万字の想定です。

完全に共依存関係になってから、元カノの手によって引き裂かれた二人。二巻はそこから、元カノも加えた三角関係や、追加するサブキャラ、一巻ではあまり登場しなかった親友の吉田翔などが関わって、二人の関係がどうなっていくのかを書いていきたいです。


第一章

駅でいちゃつくカップルを見て、元カノのことを思い出す晴。

元カノを支えきれなかったことと、そのことを後悔していることを描写する。

カップルを見つめているうちに最寄り駅につき、考えても仕方ないと頭を切り替える。

それから、その日の夜に、さやかがやってくることを思い出す。

情報量が多くなりすぎない程度に、さやかの状況説明(親戚をたらい回しにされてきたということ)


家に帰るってからしばらくして、さやかが晴の家に到着する。

用意していた晩御飯を振舞って、歓迎する晴。

さやかは驚いたような顔をする。

また、晴は初めて見たさやかの顔を見て驚く。

さやかの瞳と、病んでいたときの元カノの瞳が重なって見えた。

しかもさやかの表情はあまりなかった。しばらく様子を見ようと思う。また、一緒に暮らすからにはできるだけさやかと仲良くなろうと決意する。その過程でさやかに何か辛いことがあったなら、その話を聞いてあげよう。今度は、元カノの二の舞にならないように。

二人で家事のルールなどを決め、その日は寝ることにした。


第二章

同棲生活が始まってしばらく経った。

晴とさやかは一見上手くやっていた。仲が特別いいというわけでもないが、お互い不満もなく衝突することも全くない。父親にも初めは心配されていたが、二人の様子を聞いて少し安心される。

何の問題もないように見えた二人の同棲生活。しかし、晴はさやかが心の底からの表情をしていないことが気にかかっている。

そんな中、さやかが風邪をひいた。

風邪をひいたがそのことは黙って家事をし、勉強もいつものように夜遅くまでやっていたため、風邪が悪化して倒れてしまう。

そんなさやかを看病する主人公。

久々に優しくされたさやかは感動し、少し晴に心を開く。

一方、さやかが寝込んでいる間にうなされていたこと、そして風邪をひいたことを迷惑が掛かるからという理由で誰にも言わず、倒れるまで無理してしまったことが気にかかる晴。やはりさやかの過去になにかあるのだと確信し、それがいつか取り除けたらいいなと思う。

しかし同棲して1カ月も経っていない。まだ聞いてはいけないと消極的な晴を見せる。


第三章

期末テストの時期になる。

テスト勉強に精を出す晴とさやか。どちらも勉強がヤバく、お互い協力して教えあうことにする。

勉強の教えあいをすることで、だんだん距離が近くなっていく晴とさやか。さやかも晴に優しく接してもらうことで、晴と一緒にいることを心地よいと感じ始める。この前の看病からまた一つ心を開く。

一方、距離が縮まってきたことを安心する晴。

二人で勉強したことで、テストの点はどちらも上がった。

今までずっと無表情だったさやかが、初めて晴の前で本当に嬉しそうな姿を見せる。それに晴は内心感動する。

翔にも晴がやたら嬉しそうにしていると指摘される。


第四章

期末テストも終わり、冬休みがやってくる。

どちらも塾には入っていなかったので、そこまで忙しくない冬休みになる。

晴は、この冬休みでさらにさやかとの距離が縮まればいいなと期待する。

期待通り、家で一緒に過ごすことが多くなってきた晴とさやか。一緒にスーパーへ食料を買いに行ったりするようになる。

そうやって過ごす中で、さやかは晴がずっと自分への対応を変えないことを悟りはじめ、少し安心するようになる。たまに嬉しそうな表情などを見せるようになる。

でも、さやかの中で、いつか捨てられるかもしれないという不安は消えないため、必死に晴に好かれようと思い始める。だんだん晴に執着し始める。

夕食に晴の好物が増えたりし始める。


第五章

クリスマスになる。お互い予定がない。

電車で二駅行ったところのショッピングセンター付近でイルミネーションをやることを知る。

さやかが珍しくいきたいと呟いたため、晴とさやかは二人でイルミネーションを見に行くとこになった。

周りはほとんどカップル。その仲睦まじい様子を見て、晴は中学の時、ここなと一緒に同じ場所にイルミネーションを見に来たことを思い出す。しかもその時はまだ彼女も病んでいなかったので、内心複雑な気持ちになる。

さやかは一方、小さい頃に家族とイルミネーションを見に行ったことを思い出した。懐かしく思いつつ、少し悲しい気持ちになる。

二人とも複雑な気持ちを抱えながら、それでもイルミネーションを楽しむ。


ショッピングモールでは、クリスマス特別セールがやっていた。

晴の提案で、お互いクリスマスプレゼントを買って、交換することにする。

家に帰ってから交換し、また仲が深まる。

さやかは、クリスマスプレゼントをもらって、心から嬉しそうな顔をする。

そして、プレゼントをもらったのは本当に久しぶりだともらしてしまう。

晴は気になって少しさやかの過去について聞いてみることにした。しかし、さやかははぐらかすだけで答えない。まだ聞かせてもらえる関係ではないかと納得する一方で少し残念に思う。


第六章

大晦日。さやかと晴は大掃除を始める。

その時さやかの部屋が見え、全然荷物がないことに驚く晴。その中で、晴の買ったプレゼントが大切に置かれていた。

これからもプレゼントを上げたいと思い、自分でも心境の変化に驚く。

おせちはもともと予約していたので、年越しそばだけをさやかが作ってくれて、二人で食べながら紅白歌合戦を見る。ほのぼのした雰囲気のまま年越しする。


正月の朝。

予約していたおせちを食べ、お互い友達と約束もしていなかったので近くの神社に初詣に行くことにする。おみくじを引き、絵馬をかくなど普通のお正月の過ごし方をする。さやかは久しぶりに正月をまともに過ごすことができて感動する。また昔の思い出に塗り重なって思い出が増えたので嬉しい気持ちになる。

辛かった過去が、晴と一緒に過ごすことで楽しい思い出が増えてきていると感じている。


第七章

冬休みの宿題を協力して終わらせたりする。お互い、この時点では家族としてだが仲良くなったと思っている。そんなある日、突然さやかの前の家の親戚が晴の家にやってくる。理由は、さやかがその家のものを持ち出したが、郵送して返してもらうように電話で頼んでも断るばかりで一向に返すつもりがないので、取りに来た、ということらしい。さやかに事情を聴いてみることにする晴。さやか曰く、元々母の持ち物であり、母も大事にしていたものなので、返すことはできないということ。親戚は、それは母に貸したものなので、さやかが返すべきだと諭してきた。どちらに従うべきか分からない晴。何度も話し合いをし、最終的に、そのものの値段分さやかが払うことで解決した。解決はしたが、その途中で何度か暴言を吐かれ、必死に晴は止めたり謝るように言うが、親戚の人は何も言わず、そのまま「あなたを引き取った親戚はみんな不幸になった。あなたのせいだ。きっとこの家でも家族を不幸にして、捨てられてしまうのだろう」と言い放って帰っていく。

親戚が帰ってから、情緒不安定になるさやか。具体的には急に泣き出すなど。

さやかに尋ねてみると、小さい頃からいろんな家に行ったこと。小さいときにはぼんやりとしか感じなかったけど、ずっと邪険に扱われていたことなどを明かした。分かりやすくその家の子供と比べられるので辛かったということ。虐待じみたこともされたことがあるということ。それから、何度かそのせいで転校などを繰り返したので、友達もろくにできなかったという。晴は、それがさやかがさみしそうにしていた原因かと納得し、怒りを覚える。しかしどうすることもできないため、自分の家に来たからにはできるだけそんな思いをさせないようにしようと、まだ自分が高校生であるということも理解しながら思い、また、さやかが過去のことを打ち明けてくれたことを少しだけ嬉しく思う。


第八章

親戚が帰ってからずっと精神不安定なさやか。晴は、そんなさやかを必死に支えようとする。頭によぎるのはもちろん元カノの姿。学校を不登校になってからずっと泣いたり、手首を切ってしまったり、そんなことの連続だった。晴は必死に支えようと思っていたが、それでも中学生の自分にはできないことの方が多く、支えきれず、もっと精神的に悪化した彼女はよい病院を求めて、また、よい学校を求めて転校してしまったのだ。

さやかの精神がまだ不安定な中、新学期が始まってしまう。

さやかは無理にでも学校に行こうとするが、晴は学校に行かせることが心配だ。なぜなら、頭に浮かんでいるのは何度か自殺未遂をした元カノのこと。学校に行っている間になにかあったり、またもともと元カノが精神的に不安定になった理由として学校でひどいいじめがあったことが挙げられるので、もしそんなことになって、もっと精神不安定さヤバくなってしまったら、と思う。

さやかに休むようにいって、また自分もできるだけ休んでさやかのことを支えようとする。前は元カノにできなかったことで、全部をさやかに対してしてあげようと思ったのだ。

二人きりの生活が増え、さやかの依存もひどくなっていく。晴がさやかのもとを離れることをさやかは極度に怖がり、捨てないでというようなことを何度も言って縋りつく。晴もだんだんさやかといるうちに、絶対に手放してはいけないと感じ、絶対に離れないと断言。

依存されることに慣れ、共依存の関係になっていく。


第九章

そんな生活が始まって二週間ほど経ったある日、さやかが中学時代の友達が家に来たいと言っていることを晴に話す。

ここ最近は全く晴以外の人と会おうともせず、また、晴とお風呂までもずっと一緒にいようとしたさやか。晴はその変化を嬉しいと思いつつも、少し寂しいと感じる。また、そんな自分を少し怖く感じる。

その友達はさやかのことをとても心配していて、それから最近さやかが精神的に不安定になってることをメール越しに感じていた様子。さやかの家庭のことはうすうす把握していたため、新しい家でも同じような目に遭っているのではないかと思っているとのことであった。

友人が来ようと思っているのは、その偵察のためであるようだ。

晴はもちろん快諾する。

さやかに来てもいいかどうか尋ねられてから一週間後。

果たして家に来たのは、晴の元カノ。椿 くるみだった。

くるみは家の偵察をするまでもなく、晴を信頼しているので、少し話をしようという。晴と別れたあとの話や、転校してからのことなどをくるみから聞く晴。晴はどうだったのかと尋ねられ、なんとかうまくやっていたと答える。

くるみは納得したようにうなずき、また少し話をした後、さやかと晴は離れて暮らすべきだと言い放つのだった。

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