芸人への道

デュポン

第1話 芸人への道

俺の名前は池田進太郎(いけだしんたろう)、20歳。どこにでもいる普通の大学生。平凡な毎日に嫌気がさしたある日、たまたまインスタグラムから流れてきた広告に目を取られた。「あなたも芸人に!今からでも遅くない!」と。少し考えて俺には無理だと思った。別になんの取り柄もない。少しお笑いが好きな俺が芸人になんかなれるかよと思って、面白半分で保育園から幼馴染の夕輝(ゆうき)に軽い気持ちで相談してみた。

「インスタでさ、『あなたも芸人に』みたいな広告できてきたんやけど、俺行けると思う?」

「やってみんとわからんやろ。お前昔っからどうせ無理とか言うやん。たまには挑戦してみたら?」

「でも俺おもんないし」

「俺お前のそう言うところ嫌いやわ。勝手に決めつけて、やらん理由探しとるみたいで、情けないぞ。あとお前おもろいから。自信持てよ。」

こんなことを言ってくれる友達を持てて素直に嬉しい気持ちになった。挑戦してみようと思った。

しかし俺には金がない。巷でよく言われる限界大学生ってやつだ。稼いだバイト代は飲みとパチンコに消える。

そこで俺は思い立った。金が貯まるまではネタを書いてみたり、芸人の漫才などをみて勉強してみようと。芸人育成学校に行くのはそっからだと俺は思った。

「よし!やったるぞ!」とスマホを片手にソファーに寝転んでYouTubeで『漫才』と検索。1番上にある動画をタップした。

気づいたら朝だった。

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