第2話 そして知らない内に、危機は迫ってました
エルさんの家で食事をする。家は他の方々と同様、木で建てられた物だ。集落のリーダーなのに、他の人達と同じ
「クロは左
木の
「ええ、記憶は無いんですけど。剣を振るのに
この世界の剣術は、私の前世?である日本にあった剣道と、ほぼ同じものだった。右手と右足が前に出る構えで、両手で木剣を振る動き。有効
「自分の記憶は無いのに、クロは剣の事は分かるんだな。それ
「みたいですねぇ。と言っても、そこまで才能は無かったようですけど。才能があったら、体で覚えてる技術があると思いますから」
どうやら私は、前世で剣道少女だったらしい。で無ければ自分の記憶より先に、剣道のルールを思い出す事も無いだろう。たぶん私は前世でも今と同じ年齢で、学校で剣道部だったのではないか。前世で剣の達人だった訳でも無いし、チート能力も無い。そういう
「まあ、ゆっくり思い出せば良いさ。では浴場へ行こう、クロも汗を流さないと」
「……はい、エルさん」
集落には温泉があって、そこで皆、体を洗っている。ついでに言うと
温泉は広くて、そして、
私とエルさんは
エルさんは、「好きです」という私の告白を受け流してるけど、私が嫌いな訳では無い。むしろ逆で、私は体を洗われる
私も一生懸命、エルさんの体を洗う。私より十センチは背が高くて胸も大きい彼女の、前も後ろも、下腹部のデリケートな花の部分にも指を
朝はエルさんと、剣の
エルさんは行商人から、皆が集落で使う生活必需品を買ったり、森で見回りをしたりしているようだった。その見回りの最中に、行き倒れの私が発見されて助けられたという
エルさんが留守の間、私は
右利きを前提とすれば、これが確かに合理的な構えであり、動きではあるのだ。あるのだが……別の構えが
私はエルさんとの会話を思い出す。木剣での立ち合いに付いて、私はルールを確認したのだ。「ねぇ、エルさん。例えば左右が逆の構えや動きでも、一本を取る事はできるの? それとも反則負けになっちゃう?」と。エルさんへの、私の
それはともかく。「いや、反則負けなんて事は無いよ」というのがエルさんの回答だ。「私達は
そう言って、「クロが
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