レッスン開始/予感sideマードック、プリシラ
次の日、朝食をとっていると
「フレイヤ、食べ終わって少ししたら私の部屋においでなさい」
「えっ?」
「淑女教育」
「あっ。了解です」
完全に忘れていた。そこでお父様が、
「頑張れよフレイヤ。プリシラは社交界では淑女の鏡と呼ばれていてマナーには凄く厳しい、私もたまに注意されてるよ」
「そうなんですか?」
「まぁ、そんな事ありませんわよ」
***
全然そんな事あった。
レッスンを始めて早三時間、ずっと
「そこっ!もう少し足を曲げて顎を引くっ!」
「はいっ!」
「そこもっ!手は胸の横まで上げるっ、さっきも言ったでしょう!!」
「はいっ!!」
「では少し休憩にしましょう」
***
ヤバい、冷たい水がおいしすぎる。
でも、足がプルプルしていて力が入らない。
「フレイヤ、しばらくは今日のレッスンをくり返して体に動きを覚えこませます。少ししたら違う勉強もやらなければいけないので大変だとは思いますが、貴方は筋がいいので頑張ってくださいね」
「はいっ、ありがとうございます!」
「それと、後で資料を運びこませますが、伯爵家以上の人物は全員覚えてもらいます」
「はいっ?」
「そういうことだから、よろしくね」
そう言ってお母様は部屋から出て行った。
「貴族って、すごいな」
「けど、名前を覚えるのは問題ないかな?」
ここ数日で気付いたのだが、私はもの凄く記憶力がいい。だから一度見たことは絶対に忘れない。
「ゲームのフレイヤも、もったいなかったな」
***
「プリシラ、フレイヤはどうだった?」
「すごく筋が良かったです。このままいけば社交界ーの淑女になれますわ」
「それはよかった」
(プリシラにここまで言わせるとは・・・・・)
「あと、恐らくフレイヤは凄く記憶力がいいと思われます」
「なぜだい?」
「私は最初、作法を一気に説明しました。それで間違っている所があれば指摘しようと、でもフレイヤはすぐには出来なかったものの、やろうとしていたことは全て合っていました。細かい所まで全て」
「凄い、のか?」
「えぇ!私でも今日、説明した部分を全て覚えるのに五日はかかりましたもの」
「へえ、それは凄いね」
「ですが、あの子の未来なにか良くないことが起きる気がしてならないのです」
そうそれは女の、いや母親としての勘だった。
どこかで時計の音がなった
運命はもう動き始めている
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