第153話 交渉成立

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「ふう~なんとか無事に交渉が終わって良かったよ」


「お疲れさまだな。無事に契約がまとまったようでよかったぞ」


 王都の冒険者ギルドをあとにする。ルハイルさんと今後のことについて話し合い、契約が無事に結ばれた。


「さすがにテツヤの商品を置かないはずがない」


「ええ。あれだけおいしい携帯食なら、冒険者だけでなく、他の商人でも欲しがることは間違いありませんわ!」


 方位磁石の件だけでなく、他の携帯食などの商品も王都の冒険者ギルドに置いてもらえるかを確認するために味を見てもらったが、ルハイルさんは二つ返事で了承してくれた。


 特に保存パックに入れたようかんとチョコレートバーにはものすごく反応してくれていたな。やはりベルナさんとフェリーさんと同様に、王都でもこれほど甘いお菓子はそこまで味わえないようだ。……本来は栄養補給をするための携帯食なんだけれどな。


 3人ともルハイルさんとの交渉がうまくいかないという考えはなかったらしい。正直なところ、俺もみんなの反応を見てたぶん大丈夫だと思っていたけれどな。


「予定通り例の件は今回の方位磁石のルハイルさんの対応を見てから決めるということにしよう」


 今回は方位磁石の件について交渉しただけで、俺のアウトドアショップの能力によって出した地図や図鑑についてはまだルハイルさんに話してはいない。さすがに初めて出会った段階で、こちらの手札すべてを晒すようなことはしない。


 とはいえ、今のところルハイルさんのこちらに対する対応はまったくもって問題なさそうだ。しっかりとこちらに対する配慮もあるし、ちゃんと商店や商業ギルドなどへの配慮もあった。……本当に同じパーティにいたとはいえ、ライザックさんとはタイプが違うな。


 アレフレアの街に戻ったら、パトリスさんに相談するとしよう。


「そうだな、ルハイル殿の対応なら大丈夫だとは思うが、一応アレフレアの街にいるパトリス殿の意見は聞いた方がいいだろうな」


 ……あとライザックさんの意見もだね。俺もちょっと忘れかけていたけれど。


「あんなことを言っておりましたが、ギルドマスターも十分素晴らしいギルドマスターだと思いますわ。女性で王都の冒険者ギルドマスターになるのは生半可な実力では無理ですからね」


「私も一対一なら多分勝てない」


 確かに女性ながらにして王都の冒険者ギルドマスターになるのはよほどの実力がなければ難しいだろう。というかあれだけの強大な魔法や召喚魔法を使えるフェリーさんでも勝てないのか……


「とりあえず、これで王都へやってきた一番の目的は達成したからほっとしたよ。今日と明日はみんなでゆっくりと王都を回ろう」


「ああ、私も王都に来たのは本当に久しぶりだ。いろいろと変わっているようだし楽しみだぞ!」


 無事に王都の冒険者ギルドへの挨拶は終わった。これで王都へやってきた一番の目的は果たしたこととなる。今日の午後と明日はゆっくりと王都を観光して、明後日の朝にアレフレアの街へ向けて出発する予定だ。


「さあ、まずは宿に寄ってみんなと合流しよう」


 と言いながら宿へ戻っている最中なのだが、まずは宿にいるみんなと早く合流したい。


 ……というのも先ほどから大勢の視線を一身に浴びているのだ。それもそのはず、ベルナさんとフェリーさんは王都では有名な冒険者でアイドルのような存在だ。冒険者ギルドでもそうだったが、冒険者ギルドを出てからも街の人たちの視線がものすごい……


 しかもさらに今日は綺麗な女性であるリリアもいるわけだから、目立ってしょうがない。先ほどから美女たちに囲まれている唯一の男である俺に対しての視線の数が本気でヤバい……いや、もはや視線というよりも殺気だな、これは。


 驚くべきことにその視線は男性だけでなく、女性からの視線もすごい……王都ではアイドル並みに人気があるとは聞いていたが、ちょっとなめていたな……




「テツヤさん、お帰りなさい」


「テツヤお兄ちゃん、お帰り!」


「アンジュ、フィアちゃん、ただいま」


 宿へ戻るとみんなが待っていてくれた。ようやく周りの人からの視線を感じなくなって一息つけたよ。


「テツヤさん、お帰り。王都の冒険者ギルドとの交渉は大丈夫だったか?」


「ドルファ、ただいま。うん、無事に交渉が終わったよ。とりあえず予定通り、方位磁石が作れないかこっちで試してもらうことになったね。他の商品も王都の冒険者ギルドに卸してもらえることになったよ」


「おっ、それはよかったな!」


 みんなに王都の冒険者ギルドとの交渉の結果を伝えると、みんなほっとした様子だった。どうやらみんなも王都の冒険者ギルドと交渉するとあって、いろいろと心配してくれていたみたいだ。


「無事に交渉できてよかったよ! テツヤ、そういえば冒険者ギルドマスターのルハイルさんはどんな女性だったの?」


 そう聞いてくるのはランジェさんだ。ランジェさんも冒険者ギルドまで一緒についてきたがっていたもんな……


「……ええ~と、若い女性なのに、すごく仕事ができる女性のイメージだったね。ただ俺だとどれくらい強いかまではわからなかったな」


「なるほど、今度王都に来るときは僕もぜひ会わせてほしいね!」


「……そうだね、考えておくよ」


 胸がものすごく大きいという情報は必要ないよね、うん……教えるにしても夜に男だけの部屋で教えるとしよう。


「それじゃあみんなで王都を観光しようか」

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