24.王子17歳・春。断固。

「アリサ、僕は来年十八歳になる」

「そうですね」

「そうしたら、僕と結婚してほしい」


 はい? いきなりなにを言ってるんですか?


「はい? いきなりなにを言ってるんですか?」


 あまりのことに、心の声がそのまま漏れてしまいました。

 いえ、そんな傷ついた顔をされましても。


「アリサと結婚したいと……」

「え、どう考えても無理ですが」


 家柄的にも、年齢的にも釣り合わないですし。

 というか、どうしてそんなことをいきなり言い出したんでしょう。


「どうしてもだめ?」

「王子と結婚なんて、百パーセントありえません」

「百パーセント……」


 オースティン様と結婚すれば将来は王妃……むりむり、無理すぎます!

 私なんかよりもっとふさわしい御令嬢はたくさんいるというのに、私で手を打とうとなどとは安易過ぎますよ!

 ここは可哀想でも厳しく言わなくては。


「私は、オースティン様との結婚など、断固拒否いたします!」

「断固……拒否……」


 ふらふらしながら部屋を出て行かれましたが、大丈夫でしょうか。

 あ、頭をぶつけてますね。

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