24.王子17歳・春。断固。
「アリサ、僕は来年十八歳になる」
「そうですね」
「そうしたら、僕と結婚してほしい」
はい? いきなりなにを言ってるんですか?
「はい? いきなりなにを言ってるんですか?」
あまりのことに、心の声がそのまま漏れてしまいました。
いえ、そんな傷ついた顔をされましても。
「アリサと結婚したいと……」
「え、どう考えても無理ですが」
家柄的にも、年齢的にも釣り合わないですし。
というか、どうしてそんなことをいきなり言い出したんでしょう。
「どうしてもだめ?」
「王子と結婚なんて、百パーセントありえません」
「百パーセント……」
オースティン様と結婚すれば将来は王妃……むりむり、無理すぎます!
私なんかよりもっとふさわしい御令嬢はたくさんいるというのに、私で手を打とうとなどとは安易過ぎますよ!
ここは可哀想でも厳しく言わなくては。
「私は、オースティン様との結婚など、断固拒否いたします!」
「断固……拒否……」
ふらふらしながら部屋を出て行かれましたが、大丈夫でしょうか。
あ、頭をぶつけてますね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます