目的

 メロンシロップ号航宙日誌、

 お菓子暦、砂糖大さじ3杯。

 アンアマイ号船長記録


 アンアマイ号日誌と情報共有。


 モンブラン艦を沈めたのは、謎の移動体であることが、判明。

 移動体は、メロンシロップ責任者シフォン・ケーキの肉体と融合、メロンシロップ号の改造を行っている。

 ミスタースイートによると、糖度12までの速度を維持出来る様になるだろうと予想。しかし、艦には、その応力に耐える力が無く、分解してしまうとの推論。

 シフォンの肉体と融合した謎の移動体は、艦を改造させる事に時間を使用している。

        以上。


「素晴らしい。現在、糖度9です。メロンシロップ号のエンジンで、この速度とは、素晴らしい技術力」


 ミスタースイートポテトは、技術力の高さを称賛しているが、メロンシロップの構造に、軋みが出始めている。

 ブリッジの船体警報が、点滅しっぱなしだ。

 シフォン博士の移動体は、機関室で、改造を続けている。

 追尾してくれているアンアマイ号もこれ以上の速度は、出ない。


「ミスタースイート、確かに、あれの技術は、素晴らしいが、このままでは、船体が分解を始めるぞ。アンアマイ号も限界が来ている」


 グミ船長代理から限界の連絡が、来ていた。

 隣で聞いていた、ドクタービスケットが素朴な疑問を提示した。


「それにしても、何故、人間やこの船と融合したがるのだろう?」


「はい、ドクター。問題は、モンブラン帝国の航宙艦を簡単に引き裂いたあの移動体が、何故このメロンシロップ号と融合したがっているのかです」


 融合されたシフォンは、あの頃の美しさを取り戻している。若き日々のセピアの場面の数々が、カールの胸を責めて、痛む。


「おそらく、あの移動体は、完全な形では、無いと推測されます。あれの目的は、元の姿に戻ろうとしているのではないかと考えるのが、自然かと考えられます」


「あの高性能機が、完全ではない?亅


「はい、船長。シフォン科学主任と融合したあの機械は、本来何かの目的があり、そのための船体の一部もしくは、大部分が事故等で失った。その修復のため、メロンシロップ号との融合だと思われます」


「目的は、何か分かれば奴を破壊できるかもしれない?」


「いいえ、船長。破壊は、現在でも可能です」



 

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