①瞬雷の運び屋/FASTER THAN LIGHTNING
羽場 楽人
第1話 プロット
■タイトル
『瞬雷の運び屋/FASTER THAN LIGHTNING』
■ジャンル
配達異能バトル
■タグライン
電撃人間の運び屋が、違法組織から逃亡した少女を救うため、正しい場所に届ける。
■テーマ
恵まれない生い立ちの少年少女たちが、自分らしくいられる居場所を見つける。
■概要
・現代に似た東京を舞台に、輸送特化の『銀魂』。闇のウーバーイーツ。
・最速の運び屋、最強の能力者である主人公の無双。『ジョン・ウィック』
・裏社会の仕事をしながらも、自分の正義をなくさない悪の高潔さ
・同じ境遇を抱えていた主人公とヒロインの絆
・誰もが居場所を探す物語
・テクノロジーの悲劇と、それを乗り越えていく人の強い意志
・仮面ライダー的構造。同質の力同士の激突。
■あらすじ
現代の運び屋はとてもカジュアルだ。特に都会ではクルマも必要ない。
料理の宅配サービスのように箱型の大きなリュックサックを背負って目的地へと運んでいく──どれだけ違法で、異常で、意外な依頼品でも。
裏社会最速の運び屋ライトニング・ヘッジホッグとして名を轟かせる。
彼の名前は別府愉高(べっぷ ゆたか)。
訪れた工場はまるで嵐があったかのように半壊し、酷い有り様だった。
そこで待っていた依頼人が死の間際に託したのは──記憶のない少女。
名前は瀬吹ヒカリ(せぶき ひかり)。
彼女を追いかける一つ目のヘルメットを被った謎の集団の襲撃を得意の電撃でかいくぐるも、届け先の住所を紛失してしまう。
女社長・真木貴子(まき たかこ)の反対を押し切って一時預かりという形で、ヒカリを事務所で保護することになった。
「荷物を必ず届ける。それが俺のプライドだ」
「仕方ないわね」と受け入れる社長。
「私は情報網を辿って探ってみるから、アンタは足を使って調べなさい。社長命令よ」
愉高は日々の仕事にヒカリを同伴させることで、エサとしてヘルメットの集団をおびき出すことで彼女が置かれた状況を把握しようとする。
幾度目かの襲撃を撃退する最中、愉高のようにヒカリもまた能力を覚醒させた。
周囲の被害を顧みない暴風を巻き起こす。
出会った工場を半壊させたのはヒカリの能力の暴走だった。
顔なじみの刑事からの情報提供や調査によりヒカリの届け先に浮かび上がったのはハクトー・メディカルという製薬会社。
名残惜しくもヒカリを引き渡し、配達は終わったはずだった。
「おかえりなさい。私の心臓」
ヒカルが対面したのは、自分そっくりの女性だった。
事務所に戻ると、証拠隠滅のために襲撃を受けていた。
内幕を把握してしまったがゆえに社長も重傷。
すべてはハクトー・メディカルの罠だった。
一つ目のヘルメット集団もまたハクトー・メディカルの手先。
ヒカリはある実験のサンプルであり、クローン人間。オリジナルへの心臓移植用の生体ドナーだった。だから彼女は記憶喪失ではなく、最初から記憶などなかった。
ヒカリのオリジナルは稀代のマッドサイエンティストだった。
そして心臓移植の直前、ヒカリを憐れんだ研究員の男が連れ出し、依頼人として愉高へと託したのであった。
「届け先を間違うなんて最速の運び屋の名折れだ。おまけに俺を騙して、社長にまで手を出したのは許さねえ。ヒカリを必ず取り返す」
真実を知った愉高は、ヒカリを奪還するためハクトー・メディカルの研究所へ殴りこみに行く。
最強の電気人間は雷神のごとく敵を制圧していく。
最後に立ちはだかるのは、一つ目のヘルメットを被せられて操られているヒカリ。外部からのコントロールで、嵐の異能を操作されていた。
「自分の心臓を危険に晒して、どういう神経してんだババア!」
「逆ですよ。心臓さえ無事なら他はどうなっても構いません。このクローンが兵器としても有用とは儲け物。それに、あなたは彼女を殺せますか?」
ヒカリのオリジナルは、愉高の図星を突いていた。
本気を出せば殺すことはできる。だけど、それでは意味がない。
ぶつかり合う稲妻と嵐。
愉高は決死の覚悟でヘルメットだけ破壊に成功、ヒカリを正気に戻す。
愉高は静かなる怒りに任せて、ヒカリのオリジナルを殺そうとする。
それを押しとどめたのは他ならぬヒカリ自身だった。
「わたしは、愉高さんにそんな真似をしないでほしいです」
そこに割りこむ音声は、ハクトー・メディカルの経営陣。
オリジナルにプロジェクト凍結とクビを言い渡した上で、愉高に新たな依頼をする。
「その子どもを我々の施設まで送り届けてくれ」
「断る。こいつは、もうアシスタントとして雇っているんだ。勝手に引き抜きなんてさせるか‼」
「よかろう、君のような優れた能力者の庇護下に置いた方が彼女にも学びが多いだろう」
突入してくる警察。
連行される途中で、ヒカリのオリジナルはショックによる心臓発作で死亡。
愉高とヒカリはそれを知らない。
後日、サンダー・トランスポートの事務所。
社長も無事に退院、ヒカリも正式に一員となる。
「じゃあ最初の社長命令よ。愉高と一緒に学校へ通いなさい。こいつの出席日数がギリギリだから、あなたが面倒みてあげて」
改めて昼間は学生、夜は運び屋の忙しい生活がまた始まる。
■キャラクター
・別府愉高/主人公。男。17歳。
「──あの子を、物みたいに扱われてたまるかよ」
稲妻の能力者。裏の世界で有名な最速の運び屋ライトニング・ヘッジホッグ。
サンダー・トランスポートの従業員。社長の真木貴子には逆らえない。
高校には一応入学しているが、机に長時間座っているが苦手なので最近はほとんど通っていない。その気質通り、性格も考えるより直感で動くタイプ。口が悪い。
細身で筋肉質。電撃を操れる能力を有し、非常に身体能力が高い。
イメージはH×Hのキルアのように全身帯電させた高速移動と雷撃を放つ。DCコミックのフラッシュのように残光の尾を引きながら都市を縦横無尽に駆け抜ける。
・瀬吹ヒカリ/ヒロイン。女。16歳。
「わたしは自分のことを覚えていないから、愉高さんとの思い出が増えるのは楽しいです」
ハクトー・メディカルの研究所から逃げ出したクローンの少女。記憶喪失と自認している。荷物としてサンダー・トランスポートに預けられる。愉高と同じように能力者だが、まだ自分の力の使い方をほとんど知らない。嵐の能力者。
無垢で、気弱な性格だが一生懸命な頑張り屋。喧嘩をしていると、なんとか収めようとする。
・真木貴子/社長。女。26歳。
「もっとスマートに仕事をしなさい。派手な電撃は禁止! これ、社長命令よ!」
主人公・愉高の雇い主兼保護者。口は悪いが情に厚い。路頭に迷っていた愉高を拾い、その才能を活かして最速の運び屋に仕立て上げた。
巨乳美人。男たちからモテるが、多忙を理由に誘いを袖にする。
イメージは、善人のマキマさん。
・依頼人/男。50代
「おまえに任せた」
ヒカリの命の危機を救うために研究所から決死の脱出を行うも、とある事故によって瀕死の重傷を負う。瀬吹ヒカリを配達物として主人公に託すのを見届けた。
・博士/女。40代。
「おかえりなさい、私の心臓」
ハクトーメディカルの研究所所長。美魔女で外見は30代前半くらいにしか見えない。
ヒロイン・ヒカリのオリジナル。能力者研究の過程で不老不死の可能性に憑りつかれたマッドサイエンティストは、非人道的な実験を繰り返す。
主な功績は人工的な能力者の開発。
心臓に病を抱えており、移植用の心臓として自分のクローンを作る。それこそがヒカリの正体。
イメージは、FGOの殺生院キアラ。正気のまま壊れている毒婦。
・工藤/男。50代。刑事。
「おまえのところの社長は元気か?」
キャリア組の伊達男。優秀だが事件解決のため手段は選ばず、組織の規律には多少目を瞑るタイプ。主人公とは持ちつ持たれつの融通のきく関係で、時に裏切り時に協力しあう。
常に小奇麗な紳士な身なりだが、女癖は悪い。バツサン。
・藤原/男。20代。刑事。
「おい、運び屋。工藤さんにふざけた態度は許さん」
目の細い小柄な男。能力者。キレやすくて好戦的だが、上司である工藤の命令には忠実。主人公とは犬猿の仲。
イメージは、進撃の巨人のリヴァイ兵長。
・一つ目のヘルメット集団/人工的に開発された能力者の失敗作。自我を保てず、頭部のヘルメットからの補助により外部からの指令に従って動く雑兵。
■世界観設定
・運び屋/表立って輸送できない情報や品々を、戦闘込みで指定先に届ける。
その確実さの指標は速さと戦闘能力とされており、主人公は最速の称号を誇る。
・能力者/人の身において、超常的な現象を引き起こす力を持つ人間。
力の暴発による様々な事件事故、その偏向報道で社会的なイメージは悪い。能力者差別が公然と行われ、彼らの安心安全な居場所を奪うことに。そしてその戦力としての利用価値から裏社会に流れ着く者が絶えず、負の連鎖が社会問題となっている。
・ハクトー・メディカル/大手製薬会社。
裏では能力者開発に取り組み、違法なビジネスを行っている。その経営陣は強固な権力を有し、国家とのパイプを持つため決して表沙汰になることはない。
※本文は②に続く↓
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