第54話 英語好きな娘
高校終了後の進路に東京のダンス専門学校へ行くことを選んだ。ニューヨーク留学がオプションで付いた専門学校。ダンスが好きだったからそれで選んだのかと思っていたら、ダンスも好きだけどそれ以上に、ニューヨークに留学したかったらしい。
残念なことにツインビルテロが起きてその年度の留学は中止になってしまった。
それでも留学の夢は立ち消えにならなかったようで、しばらく東京で働いていた後、思うようにお金が溜まらないと名古屋に帰って来た。
お給料は家賃と食費に消えて全然貯まらない。確かに東京の生活は大変だっただろうね。
一年働いて、その間留学のための学校に行きながら英語の勉強もして、着々と準備を続けた。根性ある娘二十三歳。留学が前提の学校は留学込みで授業料はいらないらしい。
行きたい気持ちは最強。案外めげないタフなタイプ。私なら一人で留学なんてとんでもないけれど、
「家にいると面白いくらいお金が貯まる」
と一年で必要なだけ貯め込んで、晴れて行きたかったロンドンに飛んで行った。
ベーシックなロンドン英語が学びたい。それで選んだイギリス留学。
本人が言うところによると、向こうに行くまで文法も何にもわからなかった。全くゼロの中で二年。ロンドンで暮らした。
家でも勉強できるように日本人のいないホストファミリーを選んで、積極的に会話し、後半は向こうのGAPでバイトしながら過ごした。
帰って来た娘は、英語ペラペラ、その実力は、私たち凡人には到底計り知れないが、かなり話せるらしく、現地でも何人?と聞かれること度々だったらしい。日本人には見られない日本人。
私も夫も英語はまるでダメ。何も助言できなかったし教える事も何もなかった。なのに、英語が話せるようになった娘は凄いです。
好きって良いな〜
ただただそう思う母です。
今は英語を駆使して外資系の損保で働いています。スキルを上げて仕事を変わりたいとエージェンシーと交渉しながら次の仕事を模索しています。
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