君の世界、僕の世界

桜庭 るい

僕の世界

僕には忘れ去りたい記憶が沢山ある。

みんなそうなのだろう


そんな記憶たちは僕を過去に縛り付けた

いつまでも過去に囚われる僕をこの世界は許してくれなかった。


僕が立ち止まっていても時は流れ続けその波に攫われる

それが焦燥感になって僕を襲った。


差し出された手を振り払ったのは僕なのに

この世界に一人取り残された気でいた。


大好きだった人の声は思い出せないくせに

自分に浴びせられた数々の汚い言葉だけは鮮明に覚えている。


大切なものを失わないように、僕はここに世界を作る。

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